本間九介『朝鮮雑記』
(1894年二六新報に連載)
1869年~1919年。陸奥二本松藩(現福島県二本松市)生まれ。
有名なイギリスの女性旅行家、イザベラ・バードの「朝鮮紀行」より4年早く刊行された

「不潔は、朝鮮のパテントだろう。京城(*ソウル)はもちろんのこと、
八道(*朝鮮全土)いたるところとして、市街らしき市街をみることはできない。
牛馬人糞は市中に溢れ、その不潔なことは、たとえようもない」
「私は、なんと、小便で顔を洗うところを目撃したことがある。
そのひとが言うには『肌艶がよくなる』と。
さらに、室内に真鍮製の溺壺(※小便壺)を置き、
客を迎える席でもこれを目につかない場所に移すことはしない。
こればかりが、
尿意を催すと、すぐにこれをとって用を足し、また傍らに置く」