ラッパー/ソングライターで、BE:FIRST、MAZZELらの所属事務所/レーベル「BMSG」代表取締役CEOのSKY-HIが13日、
「BMSGから音楽業界を持続不可能にしないための提言」と題した声明を公式サイトで発表した。

冒頭「4期目に入ったBMSGは、BE:FIRSTのコンセプトシングルにおいて、かねてから課題を感じていた現代のCDビジネスに小さな一石を投じることを決意しました。
今、具体的にアクションを取らなければ音楽業界そのものが持続不可能になると危惧しているからです」と切り出し、複雑な問題点を指摘。

また、「10年以上も前から開封されずに捨てられる大量のCDゴミが度々ニュースにもなりました。
これに対してもここまで音楽業界が具体的に対応策を示せなかった事を改めて問題視するべきタイミングだと思います」と投げかけた。

BE:FIRSTの4月24日発売のコンセプトシングルで起こすアクションについて
「私たちはまずCDの製造段階からプラスチックの使用を減らします。そしてCDに様々な特典をつけるのではなく、直接その特典に値するグッズを販売する仕組みを試験的に導入します」と説明。

この意図について「多くの人に想いを込めてつくりこんだパッケージ作品を届けたい、という気持ちは決して変わりません。
ですからCDの販売をいきなりやめたり、収録物の内容を極端に減らしたりすることはありません。無駄と無理をなくしたいのです。
CDを適切なかたちで届けながら、少しずつ日本の音楽業界のビジネスの構造を変え、世論を変え、新しい当たり前をつくっていくことを目指します」とした。

ファンのCD複数買いについては「これまでやこれからのファンの皆さんの応援やそれに伴う行動の全てに対しては、心から感謝しております」
と感謝しつつ「けれど事実だけは知っておいてほしいのです。皆さんが応援の気持ちで大量にCDを買ったときに、
それが2010年代に浸透してしまった歪なシステムから生まれた行動原理であること。
そしてアーティストやアイドルにとって、現在は元より未来に及ぼすリスクが含まれていると言うことを」と警鐘も。

「正直、自分やその所属アーティストのものが大量に売れたら飛び跳ねたくなるほど嬉しい。CDの売上枚数はチャートにだって反映されます。
今作もたくさん販売できることを目指しています。けれど、だからこそ、みんな問題意識はあっても行動できず、ここまで放置され続けてしまったのです。
結果過剰な寡占市場や更新されない常識も作り出してしまいました」と問題を提起し、
「CDの売り上げを下げることが目的ではありません。枚数に対する社会的な依存度とプレゼンスが問題であると思っています」と真意を伝えた。

また、「BE:FIRSTのCDの販売の収益から一番豊かな利益を得るのは、全曲の著作権者である私です。
その立場で発信していることに事態の切実さと日本の音楽業界への危機感を理解していただけたら幸いです」と理解を求めた。

今回提言したタイミングに関しては「BE:FIRSTは様々な成績や、何より東京ドーム公演2daysの完売を受け、ようやくそれが出来る立場になったこと、そして少しでも推し進めていく責任を感じているというだけです」とし、
「責任と影響力のあるアイドルやアーティスト、その所属事務所の皆様や関係各社の皆様が改めてこの問題を考える、
そして具体的なアクションに繋げるきっかけになることを祈っています。我々は、音楽に関わる全ての人が胸を張って夢を追える状況をつくることを絶対に諦めません」と結んだ。
https://www.oricon.co.jp/news/2314336/full/