コロナ禍での在宅勤務を機にヘイト発言が炸裂

「以前の寛容だった父はもうどこにもいません。今は右派によるフェイクニュースを信じるネトウヨですよ」

肩を落として話すのは、都内に住む米田剛さん(仮名・36歳)だ。62歳の父は名門私大を卒業後、大手保険会社に就職。
20代半ばで結婚し、3人の子供を育て上げた。家庭内の空気はリベラル寄りだったという。

「父の右傾化は、’20年の米大統領選挙前後から始まりました。米民主党が不正をしたとか、トランプの票が道端に捨てられていたなどのフェイクニュースを信じ、既存メディアの報道に懐疑的になってネットに答えを求め始めた。コロナ禍で在宅勤務が増えたことも原因だと思います」

新聞購読もやめ、『WiLL』などの保守系雑誌を購入し、右翼論客のYouTubeチャンネルにすっかりハマった父。テレビで沖縄の基地反対運動やLGBT、障害者団体の主張が報じられると、「ヤツらは全部当事者不在の左翼活動家だ」と吐き捨てる。

「先日も家族の団欒時に、『日本は植民地政策で韓国を発展させた。それなのに恩を忘れて、慰安婦や徴用工問題を蒸し返してカネをゆすり取ろうとしてくる。やっていることはヤクザと同じ! さっさと断交すべき』と弁を振るっていた。不快で仕方ないです」

かつて息子に「人が嫌がることはするな」と優しく諭した父の姿はそこにはない。

「今は参政党に傾倒していて、先の統一地方選では選挙運動を手伝っていたほどです」

米田さんは戸惑うばかりだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/6c90baf479f57073fbf2a3f7d4673b25a043be07?page=2