SOMPOホールディングスが所有するゴッホの絵画「ひまわり」を巡り、ナチス・ドイツによる迫害で強制的に売却させられたとして、
元所有者の遺族が返還などを求めて同社を米国の裁判所に提訴したことがわかった。
SOMPO側は「『ひまわり』の所有権を断固として守り抜く」と反論している。
米イリノイ州の裁判所に昨年12月に提出された訴状によると、遺族は1934年にナチスによって「ひまわり」を強制的に売却させられた。
SOMPOの前身の1社である安田火災海上保険が87年、絵画の所有歴といった出所を無視して購入し、
商業的な利益などを不当に得ていたとして、遺族は返還や7億5000万ドル(約1000億円)の損害賠償を求めている。
SOMPO側は訴状が届いていないとした上で「公開オークションで購入したことは公知の事実で、35年以上にわたって展示してきた」として所有権を主張する構え。
「ひまわり」はロンドンで行われた競売で約58億円(当時の為替換算)で落札され、当時、絵画史上最高の落札額で話題となった。
現在は東京・新宿の「SOMPO美術館」で公開されている。
ナチスによるホロコーストではユダヤ人が所有する美術品が大量に略奪、海外に売却されるなどした。
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