自民党は14日、同党のホームページ(HP)で、岸田文雄首相が党役員会で防衛費増額に伴う財源の一部を増税で賄う方針を示した際に
「今を生きる国民の責任」と発言したと自民幹部が事後に紹介した内容を「今を生きるわれわれの責任」だったと修正した。
政府関係者によると、事前に用意した発言案には「国民」と記されていたが、首相が上から目線だとして実際には「われわれ」に言い換えたという。
首相発言を巡っては、短文投稿サイトのツイッターでは批判的な意見が多数投稿されている。政権としては、早期に沈静化を図りたい意向とみられる。
13日の役員会での実際の首相発言時は報道陣には公開されなかった。
会議終了後、茂木敏充幹事長が記者会見で首相発言として紹介したが、その際、事前に用意されていた発言案に沿って「国民の責任」と説明したためとみられるという。
党関係者は取材に「事実関係と違ったので直した」と説明した。役員会出席者は「発言者が多く一字一句の記憶が定かではないが、HPで修正したのならそういうことだろう」と語った。
首相周辺は「党のHPで修正した。首相の発言は国として国民にお願いしているという趣旨ではない。『われわれ』と発言し、国と国民を区別していない」と記者団に語った。(共同)