フィリピンの首都マニラにある同国最大のニュービリビッド刑務所で獄死が相次ぎ、170以上の遺体が放置されているのが見つかった。
段階的に集団埋葬され、2日には日本人受刑者の男性1人を含む70人が葬られた。
記録上はほとんどが病死とされており、異常な過密で感染症リスクが高かったと指摘されている。
同刑務所トップを兼ねる矯正局長が10月、殺人容疑で解任され、不祥事が続々と発覚している。
刑務所は遺体について、昨年12月以降に死亡し、親族が引き取らずに残されたと説明。この場合、3カ月後に埋葬するのが原則だが、同局長の下で放置されていた。
最長1年近くたった遺体は腐敗が進行。刑務所の担当医師は2日、ほとんどが解剖不能だと記者団に明かした。全国約5万人の受刑者に対し、担当医師は8人しかいないとも訴えた。
遺体を入れた簡素な木箱は2日、キリスト教の聖職者が祈りをささげた後、次々と作業員に担がれてコンクリート製の棚に収められ、ブロックで封印された。
葬られた日本人男性は覚醒剤と銃弾の不法所持の罪で服役していたが、11月に病死したという。
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