ロシアはそろそろ戦争の幕引きを図ろうとしているというのだ。同大佐はこうも言う。

「54万の兵士のほか、1000のロケット砲システム、1500台の戦車を含む5000の装甲戦闘車両、そして数百の戦術弾道ミサイルを用意している」

「これを使うことになると、1945年以来、経験したことのなかった規模の戦争になる可能性がある」

 ロシア軍による第2段階の展開がどうなるかは正確には分かりかねるが、軍事サイト「1945」が掲載した記事を読む限り、ウクライナ側の損害は甚大であり、衝撃的といえるほどの結果になりかねない。記事の執筆者であるダニエル・L・デイビス氏は元米陸軍中佐で、4回戦闘地域に派遣された経験者だ。

 プーチン氏が全面攻撃を命じれば、大規模な空爆、ミサイル攻撃から始まり、ウクライナの電力網、変電所、燃料貯蔵施設、鉄道基地、通信施設などを完全に破壊することになると言い、ここまではすでに進行中とみなすことができる。

 そうなるとウクライナ空軍の支援が功を奏しなくなり、国内での部隊の移動も困難になり、食糧、水、医薬品、弾薬等の補給能力も著しく低下することになる。キーウが戦闘部隊への補給を優先すれば、市民は凍死したり食糧不足に陥る可能性が高まり、ウクライナは不利な状況に追い込まれる。

 デイビス氏によると、プーチン氏はいくつかの方策を考えているという。

 1つは20万人の追加部隊をウクライナに投入し、ポーランド国境からの供給網を遮断。ポーランドはこれまでもウクライナに強力な政治的支援を行ってきた。ウクライナは1日に1000トンの支援物資が必要といわれているが、そのほとんどがポーランドから入ってきている。