米国立公園局が先月31日、Facebookで国立公園を訪れる人々に向けて「カエルを舐めるのはやめて」と注意喚起し話題を呼んでいる。
投稿によると、米国内の国立公園内に生息するカエルが出す分泌物には幻覚作用を引き起こす成分が含まれており、幻覚作用を求めてカエルを舐める人々がいるというのだ。
だたしこのカエルの分泌物は、成犬を死に至らしめることがあるほど強力な毒素を含んでいるという。『New York Post』などが伝えている。
米国立公園局(National Park Service)はFacebookにて10月31日、1匹のカエルの画像を添えてこのように投稿した。
「コロラドリバーヒキガエル(Colorado river toad)はソノラ砂漠ヒキガエル(Sonoran desert toad)とも呼ばれており、体長は約18センチと北米で最も大きなカエルの一種です。
どんな声で鳴くのでしょう? 鳴き声は『弱く、低音で1秒も続かない短い音』と表現されます。このヒキガエルは目立った場所にある耳下腺から強力な毒素を分泌しており、カエルを触ったり毒素が口の中に入ると体調不良を起こすことがあります。」
そんなヒキガエルの説明に続いて、「バナナナメクジや見慣れないキノコ、真夜中に目を光らせる大きなヒキガエルなど国立公園で遭遇するものを舐めるのは控えてください」と驚きの注意喚起が記載されていた。
カエルやナメクジを舐めるなど考えたこともない人がほとんどだろうが、このヒキガエルから分泌される物質は“ブフォテニン(bufotenin)”と呼ばれる幻覚作用を起こすもので、
「オークランド動物園(Oakland Zoo)」では一部の人が幻覚作用を得るためにこの物質を採取していると明かした。
カリフォルニア州においてブフォテニンの所持は禁止されているが、隣接するアリゾナ州では適切なライセンスを持っていれば最大10匹までコロラドリバーヒキガエルを捕獲できると定められているため、実質的にブフォテニンを所持することはできる。
しかし分泌物の摂取を目的に捕獲した場合には、刑事責任に問われる可能性もある。
「アリゾナ ソノラ砂漠博物館(Arizona-Sonora Desert Museum)」によると、このヒキガエルは敵から身を守るために毒素を分泌すると言い、犬などの動物がこのヒキガエルに触れると口や目、鼻を介して中毒症状を起こす。
最悪の場合には成犬でも死に至ることがあるほど強力な毒素である。
幻覚作用があることを知る人がこのヒキガエルを捕獲している事実があり、アリゾナ州ツーソンを拠点とする爬虫類学会「Tucson Herpetological Society」で会長を務めるロバート・ビラさん(Robert Villa)は
「いずれヒキガエルは個体数の減少や絶滅の危機にさらされる可能性がある」と懸念している。
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