世の中には『ドラゴンクエスト』ファンだけがついつい反応してしまったり、あるいは他の人と違うものを想像してしまったりする名前があります。
例えば「ピエール」という名前。『ドラクエ』ファン以外であればミュージシャンを思い浮かべたり、マンガキャラを思いうかべたり、有名なパティシエを思い浮かべたりするところです。
ですが、熱心な『ドラクエ』ファンは巨大なスライムに乗った騎士を思い浮かべてしまうのです。他にもファンが反応してしまうネーミングの例を見ていきましょう。
『ドラクエ』ファンと一般の方とで思い浮かべるものが違う例として「カンダタ」が挙げられます。
『ドラクエ』シリーズを知らない方なら芥川龍之介の小説『蜘蛛の糸』に出てくる罪人を思い浮かべるかもしれませんが、一方『ドラクエ』ファンの脳内にはすでにビキニパンツの覆面男が出現しています。
また「ロビン」という物語の登場人物においてはありふれた名前も『ドラクエ』をプレイし続けると「キラーマシン」なる極めて恐ろしいモンスターの「愛称」という認識で固まってしまいます。
また「ハッサン」という名前から落語の「八っつぁん」を思い浮かべる人もいるでしょうが、『ドラクエ』ファンは屈強なモヒカン男をまぶたの裏に描かざるを得ないのです。
さらに「賢者の石」という語は、それで魔法使いの少年を思い浮かべるか、国家錬金術師を思い浮かべるか、はたまた「全員回復呪文」を思い浮かべるかで『ドラクエ』ファン濃度を調べる試金石になり得ます。
そもそも『ドラクエ』ファンしかピンとこない名前もあります。例えば『ドラクエV』のパパスが息子に名付けようとした「トンヌラ」。
初見の人からすれば、これがそもそも「人間に名付けようとした単語」であることすら分からないかもしれません。
ところが『V』をプレイした人からすればパパスがお城の中をウロウロと歩いている映像、そして音楽までが頭の中で再現されるのだからすごいものです。(ちなみに「トンヌラ」はフランスで見られる「姓」です)。
名前には物語がついて回るものです。ありふれた名前でも、特異な名前でも『ドラクエ』ファンにとってはそれが「旅の扉」となり、かつての冒険の記憶へと誘ってくれるのです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/994e21ebffa329b71dadf95577f7f7ebb63d0468