◆「無関心でいいはずない」「何かが起きていると気付くきっかけに」

「初めて参加したが、人が多くてびっくり。でも同世代の人がいない。情けない」。
19日、代々木公園(東京都渋谷区)と周辺で行われた国葬中止などを求める集会とデモ。
台風の影響による悪天候にもかかわらず1万3000人(主催者発表)が参加したが、若者の姿はまばらで、千葉県流山市の男子大学生(23)はさみしそうな表情を浮かべた。

新型コロナウイルスの流行が始まった2年ほど前、行動自粛を求めつつ補償も検査もきちんとしようとしない状況に不満で「政治はひどい」と感じたという。
だが、友人と政治の話をしても「はぐらかされる感じ」という。「忙しくて政治に目が向かないのは分かるが、これから何十年と生きていく私たちの世代がこういう問題に無関心でいいはずがない」と話す。
それ以降、交流サイト(SNS)で考えを発信してきたが、収まらない。「こういう場所に来て、訴えよう」と思ったという。

一緒に参加した宇都宮市の男子大学生(21)もデモは初めて。渋谷駅周辺を行進していると、若者の冷たい視線が気になり、ばかにするような言葉を浴びせる若者グループもいたという。
自分でも「旗を掲げて、表に出てきて、強い言葉で『反対』を表明する。言葉は悪いが昭和の闘い」と思う。

それでも「こんなに多くの人が反対しているんだ、何かが起きているんだと気付いてもらうきっかけにはなる」と感じた。2
7日の国会正門前の集会にも参加するつもりだ。(加藤益丈)


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