インターネット通販大手アマゾンジャパンの下請け企業と業務委託契約を結び、神奈川県横須賀市を拠点に働く配達ドライバー10人が13日までに、「東京ユニオン・アマゾン配達員組合横須賀支部」を結成した。
組合員は個人事業主(フリーランス)として働くが、アマゾンからアプリなどを通じて指揮命令を受け、労働時間も管理されているとして、業務委託は「偽装」と主張、労働基準法上の労働者に当たるとしている。
組合員らは13日、アマゾンジャパン本社(目黒区)を訪れ団体交渉を求め、労働契約の締結や長時間労働の是正などを求める要求書を提出。同社は取材に「要請書を本日受領し、内容を確認している」と回答した。
アマゾンは全国各地に商品を発送しており、組合員らと同様の働き方をする配達ドライバーは多数に上る。労組の代理人弁護士などによると、アマゾンの配達ドライバーによる職場単位での労組結成は初めてといい、労働環境の改善を求める声が広まる可能性がある。
13日午後、都内で記者会見した組合員らによると、10人はアマゾンジャパンの1次、2次下請けとそれぞれ契約を結び、横須賀市内にある倉庫に運び込まれたアマゾンの商品を配送。
配達員はアマゾン側から専用のアプリを通じ、荷物の個数や配送先などの指示を受けている。
要求書では、配達中に生じた事故で荷物が破損した場合に配達員が負担した賠償金の返金や、携帯修理代といった名目で報酬から差し引かれた分の支払いを求めている。
アマゾン側が昨年、各配達員の荷物数や配送先を人工知能(AI)で決定する方式を導入して以降、運ぶ個数が急増したといい、
支部長の60代男性は会見で「物量の多さがストレスで耐えられない。是正されないとドライバーは働きながら死んでしまうかもしれない」と訴えた。
アマゾンジャパンは配達員について「アプリの利用は必須ではない」としている。(共同)
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