https://www.kobe-np.co.jp/news/tajima/202205/0015278635.shtml
「399が1週間以上、見つかっていない」「11は今、24といる」-。3月27日にあったコウノトリの全国一斉調査で、参加者の会話に耳が吸い寄せられた。
視線の先には、兵庫県豊岡市日高町の人工巣塔で翼を休める雄と雌。参加者が口にした暗号のような数値が気になった。
取材を進めると、ペアの「破局」「再婚」という愛憎劇が繰り広げられていた。
会話についていけず、内容を聞いてみた。399とは、野外コウノトリに割り振られた個体番号の一つで、この巣塔を根城にするペアの17歳雌(J0399)をさす。
399が巣塔から姿を消し、その間に相方の3歳下の雄(J0011)は早速、12歳の新しい雌(J0024)と一緒に巣にいた-という意味だ。
参加者は399の動向を案じていたのだった。それにしても、素人には同じように見えるコウノトリの微妙な違いを識別して番号で呼ぶさまは、マニアならではといえる。