https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2022/04/post-98437.php

<空気を読めず、周囲の人から冷たい反応をされることに悩んできた、とロックは語っていた>

第94回アカデミー賞授賞式で俳優のウィル・スミスから平手打ちを食らったコメディアンのクリス・ロックが、非言語性学習障害(NVLDまたはNLD)と診断されていたことが改めて注目を集めている。

授賞式でロックは、スミスの妻で女優のジェイダ・ピンケット・スミスのヘアスタイルをジョークのネタにしたが、彼女がスキンヘッドにしていたのは脱毛症が原因だった。この発言に怒ったウィル・スミスはステージに上がってロックに平手打ちをし、見ていた人々を驚かせた。

(中略)

プロデューサーのホリー・ソレンセンも28日、こうツイートした。「クリス・ロックは非言語性学習障害を抱えている」

「これは神経学的な病気で、人の気持ちを読んだり適切な応対をすることがうまくできない」

ロック自身、過去のインタビューでNVLDの診断を受けたことや障害にまつわる体験について何度か語っている。

例えば昨年5月には芸能ニュースショー「エクストラ」に対しロックは、友人からアスペルガー症候群なのではと言われて診断を受けたと語っている。

「アスペルガー症候群と多くの共通点のある病気だということが分かった。言葉によらない気持ちの伝達では苦労してきた」とロックは述べた。

「ずっとそうだった。自分では気がつかなかったけれど、言葉を使うのはすごく得意なんだ。聞くことはできるけれど、全てのコミュニケーションのうち70%は非言語的なんだそうだ」

20年には芸能誌ハリウッド・リポーターに、1対1の関係で困難を抱えているとも語っている。

「それは自分が有名人だからだとずっと思っていた。マイナスの反応を示されるたび、『相手の中にある俺という人間のイメージと関係のある何かに反応しているんだろう』と考えていた。今思えば、相手が反応していたのは他ならぬ自分自身に対してだった。多くが自分のせいだった」
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