元アイドルが「新しい職場で見下される」現状。“使い捨て”の業界にならないためにできること

最新のニュースから現代のアイドル事情を紐解く。振付師・竹中夏海氏がアイドル時事を分析する本連載。
今回は、元アイドリング!!!の遠藤舞と酒井瞳を講師に迎えて「アイドル専用ジム」を立ち上げた竹中氏が、アイドルのセカンドキャリアについて考える。

アイドルは「ニコニコしていればいい仕事」?
「新しい職場で、アイドルだったことを知られると、見下されたり嘲笑されたりする」。
これは実際に私が元アイドルたちから聞いた声。到底信じたくはない理不尽な話だが、聞いたのはひとりやふたりからではない。

そもそも、人のどんな経歴でも他人がジャッジする権利はないはずだが、アイドルだったことを嘲る人間の言い分はこんなようなとこだろう。
「ニコニコしていればいい仕事」「労働ではなく遊んでいるようなもの」「夢見がちで将来を考えていない」。
こうした言葉は職場以外でも、たとえば家族やパートナーからかけられることも少なくないそうだ。
こんなことを直接本人に言える人間のデリカシーのなさは論ずるに値しない。
ただ、多くの人が「アイドル」という仕事の実情を理解できないことに関してだけは一考の余地がある。
なぜなら、そうしたリアリティや生っぽさを消すこともまた、アイドルの業務の一環でもあるからだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/008dabd9443107761935f1e15078138ae94683ec