ロシアによるウクライナ侵攻開始から1カ月。円安が止まらない。およそ6年ぶりに対ドルで1ドル=120円の節目を突き抜けた。
背景にあるのは、日本の貿易赤字と日米の金利差拡大。だが為替相場はファンダメンタルズ(基礎的条件)だけで加速することはない。
最大の要因は「有事の円買い」というブレーキが消えたことにある。

意外なことに「有事の円買い」の歴史は浅い。実際、過去の日本経済新聞の記事をたどってみると、
2006年10月に北朝鮮が核実験を強行した際の記事に書かれた「北朝鮮リスクで円売り」という見出しが目にとまった。ほんの15年前まで、
地政学リスクが高まった際には「有事の円売り」が起きていたことになる。

20世紀のマーケットに定着していたのは「有事のドル買い」だった。
www.nikkei.com/article/DGXZQOUB2340F0T20C22A3000000/