[ワシントン 11日 ロイター] - ロシアによるウクライナ侵攻が激しさを増す中、半導体製造用ガス「ネオン」を生産するウクライナの主要メーカー2社が操業を停止した。2社でネオンの世界の供給量の約半分を占める。

 ウクライナは、ネオンの世界生産の約7割を占めており、市場への影響は大きい。半導体の製造ではステッパーと呼ぶ露光装置を使い、
ネオンガスなどを原料に発生させたレーザー光を半導体材料に当て、回路パターンを転写する。
米調査会社のテックセットによると、米国では半導体製造用ネオンの9割超がウクライナ産という。

高いシェアの背景には、旧ソ連時代にレーザー兵器開発で多額の投資を行った経緯がある。
ウクライナはネオンとともに「レアガス(希ガス)」と呼ばれ、やはり半導体製造に使うアルゴンやクリプトン、キセノンの供給国でもある。

しかし、ロシア軍の侵攻で南部のオデッサにあるネオンの精製工場は停止。港も閉鎖されており、供給は止まっているもようだ。