SMBC日興証券の幹部が不正な株取引で相場操縦をした疑いが強まったとして、東京地検特捜部は4日夜、金融商品取引法違反容疑(相場操縦)で東京都内の同社本社に家宅捜索に入り、強制捜査に乗り出した。
特捜部は、幹部らが複数銘柄の株価を高値で維持することを目的に、2020年ごろに業務として買い注文を繰り返した疑いがあるとみている模様だ。

 証券市場のあらゆる情報が集まり、高いコンプライアンス(法令順守)が求められる大手証券会社が相場操縦容疑で強制捜査を受けるのは極めて異例。
幹部らはこれまでの特捜部の任意の事情聴取に対して「相場操縦には当たらない」などと容疑を否認しているとみられ、特捜部は市場をゆがめる意図がなかったか、押収した資料を分析して捜査を進める。

 関係者によると、不正が疑われているのは、大株主が保有株を大量に売った際に値崩れを避けるため、証券会社が立ち会い取引の時間外に株を買い取り、売却先を募る「ブロックオファー」と呼ばれる取引。

 同社は、売却先が決まった日の終値を大株主からの買い取り基準額としている。終値が低いと買い取り額も低くなり、取引が不成立となる可能性がある。
このため、幹部らは20年ごろ、市場が閉じる午後3時の直前に、複数の銘柄の買い注文を繰り返した疑いがあるという。特捜部はブロックオファー取引の買い取り基準額となる終値を高値で維持しようとしたとみている。

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