新型コロナウイルスの感染拡大が、働く女性に深刻な影響を与えている。女性は雇用者に占める非正規の割合が5割超と男性の約2・5倍高く、飲食店の休業などで解雇や雇い止めとなるケースが目立つ。

「仕事が減り、この先どう生きていけばいいのか。子どもたちには2食で我慢してもらい、私は2日に1食が当たり前です」

シングルマザーを支援するNPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ(東京)には、母親からの悲痛な相談が相次いで寄せられている。同法人などが7月に実施した調査では、母子世帯1388人のうち61・5%が非正規で、半数が収入が減少したと回答。平均月収はコロナ禍前から1万2千円減り、10万9千円だったという。

苦しいのは母子世帯に限らない。総務省によると、政府が緊急事態宣言を出した4月、国内の雇用者数は7年4カ月ぶりに減少に転じた。男性が前年比3万人減だったのに対し、女性は10倍以上多い34万人減。

安倍政権「看板政策」かすむ

統計上は2012年から19年にかけ499万人の新たな雇用が生まれており、安倍晋三首相はアベノミクスの実績としてアピールする。ただ、このうち226万人は非正規の女性。看板政策に掲げた「女性活躍の推進」はコロナ禍を前にかすんでいる。

https://www.nishinippon.co.jp/item/n/643390/