無職こそが仏道2
気まずかった話。
すごく鮮明に覚えてる12年前。雨降りの日。うちは母子家庭で、貧乏長屋に住んでた。
高3の時、家に一人で居る時に、夕方6時半過ぎにカップ麺にお湯入れて
食卓のイスに座ったら、玄関の呼鈴が鳴って「なんだよ~伸びるじゃねぇか」なんて思って出てみたら、
うちの2本裏の長屋に住んでる、2コ下の女の子が、紺色の薄汚い雨合羽上下を着て立ってて「新聞の集金です」って。
小学校・中学校と、遊んだことはないけど顔見知りで、その子は
高校行かないで働いてたとは聞いていたけど、働いてるの見たことは無かったから
まさかこういう形で現実を目の当たりにするとは思っても見なかった当時。
自分は親が頑張ってくれてたから、奨学金もらいながらも高校行けたけど、
その子の家はダメだったんだなって、高校入る時ガキながら感じてた。
何も言えなくて、とりあえず財布に入ってたカネで、新聞代払って、
目を合わせずに「ありがとうございました」と領収書渡され、玄関閉めて
その子が出て行ったときには、何か人生って難しいなぁと思ってしまった。