俺からお前に言っておきたいことがある。
俺はアブラゼミとして生を受け、今まで懸命に生きた。
最後の最後の瞬間まで、精一杯の声を出し
息子、孫、その先の世代へのエールを今夏、送り続けてきた。
お前にはうるさかったかもしれないが、許してくれ。
これはゼミ族だけではない、君へのエールでもあったのだから。
俺は今、君の家のすぐそばで倒れている。俺の声は届いただろうか?
この、精一杯の俺の生き様を、そしてもぬけの殻になった俺を見て
何かを感じてくれれば嬉しいと思う。頑張ってくれ。ヒトの友よ