ワクチン陰謀論者がよく落ちる間違いの一つに、「疑似相関」があります。「疑似相関」とは、二つの事象が統計的に関連しているように見えるけれども、実際には因果関係がないことを指します。つまり、一方の事象がもう一方の事象を引き起こしているわけではないのです。

例えば、あるワクチンの接種率が高い地域で、特定の健康問題が増加したとします。陰謀論者はこれを見て、「ワクチンが健康問題を引き起こしている」と結論づけるかもしれません。しかし、もしその増加が他の要因、例えば環境汚染や生活習慣の変化などによるものだったら、ワクチンと健康問題の間には実際には何の因果関係もないことになります。このような誤った結論は、疑似相関に基づいています。

ワクチンと健康問題の因果関係を確実に評価するには、多くの要因を考慮した上で、慎重に設計された研究が必要です。相関関係だけを見て急いで結論を出すことは、科学的な誤りにつながりやすいのです。