9月から始まった新型コロナワクチンの秋接種で、希望者が接種を予約できない状況が起きている。接種体制や国のワクチン購入規模が縮小された影響とみられる。厚生労働省は一時的なもので「希望者全員が接種できるようにする」とし、必要があれば追加購入も検討するという。

生後6カ月以上の全ての人を対象にしたワクチン接種は9月20日から始まった。現在流行しているオミクロン株「XBB」に対応したワクチンを無料で接種できる。希望者は自治体が指定する手続きで予約するなどし、医療機関や集団接種会場で接種を受ける。

 関西地方のある市では、集団接種会場で10月に予定する約1万7千回分の予約が6日までに全て埋まった。市によると、予約できなかった人から「いつ打てるのか」と問い合わせが相次いだ。市内で個別接種をする医療機関からは予定分がなくなり「ワクチンが足りない」との声も寄せられた。市の担当者は、「いつごろ、どれくらい追加で供給されるのか、国は早く見通しを示して欲しい」とする。

 東京都足立区の「はなはた羊クリニック」でも6日時点で10月分の予約が全て埋まった。岸洋二院長は「今までで一番、接種の予約枠が埋まるスピードが速いと感じる」と話す。「コロナはまだ流行しており、流行株に合わせた新しいワクチンを早くうちたいという人が集まっているのではないか」とする