妄想性パーソナリティ障害患者は,他者が自分を利用する,裏切る,または害する計画を立てていると疑う。患者は,いかなるときでも,理由もなく自分が攻撃されるかもしれないと感じている。証拠がほとんどないか全くない場合でも,自分の疑念および考えを主張し続ける。

しばしば,このような患者は他者が自分を大きく,取り返しのつかないほど傷つけたと考えている。患者は潜在的な侮辱,軽蔑,脅し,および不忠がないか非常に警戒しており,発言および行動に隠れた意味がないか探る。自分の疑念を裏付ける証拠を探して他者を詳細に吟味する。例えば,手伝いの申し出を,自分が1人で仕事をすることができないことを暗示していると誤解することがある。なんらかの形で侮辱された,または傷つけられたと考える場合,患者は自分を傷つけた相手を許さない。傷つけられたと感じて反応し,反撃したり,怒ったりする傾向がある。他者を信用しないため,自律性をもち,主導権を握っていなければならないと感じる。