認知症とは、一度正常に発達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続的に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を指します。

認知症は高齢になるにしたがって増加し、超高齢社会の日本では約460万人(65歳以上の高齢者の約15%)が認知症を患っているとされています。今後も高齢化が進み認知症の人は増えていくことが予想され、2025年には65歳以上の人口の約20%が認知症を有している状況になると推定されています。

認知症では、物を覚えられない、今までできていたことができなくなるといった認知機能の低下による症状ばかりでなく、怒りっぽく攻撃的になる、意味もなく徘徊はいかいするなどの症状(認知症の行動・心理症状(BPSD)とよばれます)もみられます。

認知症の原因となる病気にはさまざまなものがあります。その中には、現在、病気の原因が解明されておらず根本的な治療法がない病気もありますが、現在の医学で治療可能な病気も含まれています。そのため、なるべく早く適切な診断を受け治療方針をたてることが大切です。