新型コロナの後遺症の影響は「計り知れないほど大きい」と研究者が語る - GIGAZINE https://gigazine.net/news/20230727-burden-long-covid/ 2023/07/27
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イギリスの有力な研究グループが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する研究を科学的に分析した結果、COVID-19の後遺症である「ロングCOVID」の負担は患者にとって「計り知れないほど大きい」と語っています。
COVID-19の長期的な影響について分析したのは、イギリスの名門大学であるインペリアル・カレッジ・ロンドンで免疫学の教授を務めるダニー・アルトマン氏ら。
研究チームによると、COVID-19を発症した人の10%が持続的な後遺症を患っており、世界中で最大4億人がロングCOVIDに苦しめられており、これを支援する必要があると述べました。

この研究では、ロングCOVIDの患者は心臓・肺・脳・神経系に損傷の兆候が見られ、免疫系に病気の兆候が見られることが判明しています。
アルトマン教授は「この研究における私の仕事は、確かなデータ、確かな証拠、確かな数字を本当に長い間にわたって厳しく検討し、役立つと思われるある種の合意をまとめようとすることでした」と語りました。
アルトマン教授らによる研究は、大規模な縦断的調査データを分析し、ロングCOVIDの影響を調べるというコホート研究です。
研究の被験者となった患者には、数年間にわたってMRI検査や健康診断、認知機能検査などが行われていたため、COVID-19感染前と感染後のデータを比較することができています。

アルトマン教授は研究結果を、「最も恐ろしい答えが得られました。被験者の脳の一部はCOVID-19の影響で縮小しており、認知機能テストのスコアもCOVID-19の影響で下がっていました。
この結果は人々をとても怖がらせてしまうかもしれませんが、これが我々が現時点で理解している事実です」と説明しました。

また、ロングCOVIDに関する症状としては自己免疫疾患(体の免疫系が体自身のタンパク質を攻撃する場合)、炎症、血液凝固異常、臓器損傷、ウイルス残留(体内にウイルスの貯蔵庫が残る)、血液凝固異常、ガス交換と血液への酸素供給困難など、さまざまなものが挙げられています。これについて、アルトマン教授は「これらの症状が相互に排他的である必要はありません」と語りました。ウイルスは体内の多くの組織、特にウイルスが付着するACE2を持つ組織に潜行的に残留する可能性があると研究グループは考えているそうで、「つまり、心臓・肺・肝臓・嗅葉に侵入し、そこに損傷を与える可能性がります。これらはMRI検査結果から目で確認できるものであり、これだけがすべてというわけではないはずです」と述べました。
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