新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けを「5類」に引き下げることを了承した政府の専門家分科会の議事録が16日、公表された。会合では5月8日に5類へ移行する政府案を容認したものの、医療関係の委員らは「まだ侮れない病気だ」と指摘。政府にさまざまな条件を突き付け、危険性がなくなったかのようなメッセージにならないよう厳しく注文を付けていた。

 会合は1月27日に新型コロナ対策分科会と基本的対処方針分科会が合同で開催。感染対策を季節性インフルエンザ並みに緩和するに当たり、専門家の同意を取り付けるために政府が開いた。

 最も指摘が相次いだのは5類への変更理由だった。政府は「私権制限に見合った、国民の生命および健康に重大な影響を与える恐れがある状態とは考えられない」と説明。経済界の委員から歓迎する意見が上がった一方で、医療の専門家からは異論が続出した。

 三重病院長の谷口清州氏は「高齢者や基礎疾患のある人への生命にはまだ重大な影響がある。誤解が生じる」と指摘し、東北大教授の押谷仁氏は「切り取られて解釈されることを非常に懸念する」と訴えた。

 専門家たちはあくまで、5類への移行は「法的な整理」と捉え、「(新型コロナは)非常に感染性が高い。今後も深刻な影響を及ぼし続ける」と主張。日本医療法人協会副会長の太田圭洋氏は「医療機関での感染対策を大きく変更することは難しい」、脇田隆字国立感染症研究所長も「流行が終わったというメッセージは逆に流行の拡大を助長してしまう」と強い警告を発して表現の再考を求めた。

 政府の情報発信に関しては、高齢者施設や医療機関における集団感染と死亡率の高さ、変異株出現の可能性など「懸念される材料」を丁寧に説明するよう要望。マスク着用は「効果的な場面を具体的に分かりやすく伝えることが必要だ」と提案した。

 政府側は「5類への移行は手放しでいいと言ってもらったわけではない。留意事項をよく考え、具体案を示したい」(厚生労働省健康局長)と理解を求めていた。

専門家ではなく、単にカルトが軽いと言い出しただけだった
コロナはAIDS