コロナ後遺症、パンデミック以上に警戒必要−呼吸器以外にもリスク www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-12-19/RMYKMHDWRGGH01 2022年12月19日 Bloomberg Jason Gale
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【遅発性合併症】
潜行性が極めて強いケースでは、心血管疾患や糖尿病、腎臓障害、脳損傷などの症状が現れる前に、新型コロナウイルスは知らぬ間に組織に炎症を起こし損傷を与えたり、凝固異常を引き起こしたりする。
複数の研究によれば、あらゆる重症レベルの病気を患っていた元コロナ患者は、6−12カ月後に亡くなるか合併症で入院するリスクが高くなる。
米厚生省は11月の報告書で、770万−2300万人の米国人がコロナ後遺症に苦しんでいると推定。
2月時点で米国人の5人に3人が、少なくとも1回はコロナに感染しており、1年前の33%からその比率が高まった。

エール大学アウトカム研究評価センターのハーラン・クルムホルツ所長は、一部の患者はずっと後に合併症を発症する可能性があり、
「それはまたパンデミック自体よりも大きな犠牲を招くことになるかもしれない」と警戒する。
米国では、21年に平均余命が1996年以来の低水準にまで落ち込み、2年間としては約1世紀ぶりの大きな低下を記録した。
コロナの影響が遅れて表れることで、平均余命の回復が妨げられる恐れもある。

ミズーリ州にある退役軍人セントルイス医療制度臨床疫学センターのジヤド・アルアリ所長の研究によると、患者はコロナ感染後の1年で通常の老化ペース4年間と同等の腎機能の低下を経験した。
腎臓に病歴がなく、入院していない元コロナ患者でさえ、コロナに感染していない人に比べ、末期腎疾患に至るリスクが倍近いという。
同じような影響が他の臓器に広がっている可能性もある。腎臓の専門医でもある同所長は「まだ今はその影響が十分に表れていないのではないかと懸念している」と述べる。
「これが本当に深刻なのは文字通り何百万人ものこうした患者がいる」ということだ。
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