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国内初のコロナ予防薬承認へ 5~11歳の3回目ワクチンも―厚労省
2022年08月29日22時36分

厚生労働省の専門部会は29日、英アストラゼネカ製の新型コロナウイルス治療薬「エバシェルド」の薬事承認を了承した。
発症後の治療のほか、感染前の投与で発症抑制効果も期待できる国内初の予防薬となる。
厚労省は、早ければ30日にも緊急時に審査を簡略化できる「特例承認」で対応する。

「エバシェルド」は、ウイルスの働きを抑える2種類の抗体を投与する。
発症後に投与する場合は、重症化リスクを持つ軽症から中等症患者が対象。
予防薬としては、体質によりワクチンが打てない人や、
接種しても持病で十分な免疫が得られない人などが使用できる。

感染者と接触後の発症抑制効果は示されておらず、濃厚接触者は対象外となる。

オミクロン株の派生型「BA.2」への有効性は確認されている一方、
現在主流の「BA.5」では効果が下がる恐れがあるとして「他の治療薬が使用できない場合に検討する」とした。

部会では、5~11歳の小児に対するワクチンの3回目接種で、
米ファイザー製を使用することも併せて了承された。

小児接種は2月下旬から始まったが、2回目を終えた人は対象の19.6%(8月29日公表時点)にとどまる。
厚労省の専門部会は8月、予防接種法に基づき、
接種への協力を求める「努力義務」を小児の保護者に適用する方針を決めた。