昨年わが国で観察された戦後最大の超過死亡について --- 小島 勢二 2022/3/4
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戦後最大の超過死亡

2021年5月以降の半年間にわが国で観察された超過死亡は4万人に達し、東日本大震災のあった2011年を超えて、戦後最大となっている。

これまでも、国立感染症研究所の分析結果に基づいて、超過死亡は新型コロナの流行やそれに伴う医療の逼迫が原因であると各メデイアは報道しているが、この期間におけるわが国の新型コロナによる死者が8,500人であることを考慮すると、4万人(4.7倍)という数字はいかにも多すぎる。

コロナによる超過死亡が観察された米国、英国、イタリアからの報告では、超過死亡数はコロナによる死者の1.1から1.3倍程度である。例えば、2020年のイタリアにおけるコロナによる死者は7万2千人であったが、超過死亡数は8万2千人(1.1倍)であった。

わが国で高齢者に対するコロナワクチンの接種が開始された昨年の4月以降に、超過死亡が生じていることから、超過死亡の原因としてワクチン接種後の死者の増加が囁かれているが、この疑念を厚労省がこれまで正式に取り上げたことはなかった。

鈴木基感染症疫学センター長の見解

ところが、2022年2月18日に開催された第76回厚生科学審議会で、鈴木基感染症疫学センター長は、超過死亡の原因としてワクチン接種後の死亡の可能性について言及した。