出雲地方(現在の島根県東部)で江戸時代から作られてきた地金魚、『南金』。
元となった品種には諸説あり。
品種名とその由来にも諸説あり。

江戸時代後期に、松平不昧公の命で作られたと言われている。
侘び寂びの精神を重んじて作られたためか、色合いは白がちが良いとされる。
この点、赤がちの更紗を良しとする他の品種と大きく異なる。

尾鰭は大きめで上から見て水平についている平付き四つ尾で、背鰭は無い。
なので体型は大阪蘭鋳に近いとも言われるが、頭に肉瘤は無い。
このため、見た目的には背鰭の無い琉金にも近い。
(稀に背鰭の無い琉金も見かけるが、その形は南金そっくりである)

主張の抑えられた色や形ゆえ、上品さの醸し出された品種である。
そんな歴史と伝統と品のある金魚『南金』を大いに語ろう。