>>34

続きを書くぜ

彼女のいない2週間の
ホームステイが始まったぜ

彼女が飛び立った日は金曜日でな
その日の午後は
溜まっていた衣類の洗濯をして
過ごしたぜ

週末はな
ホストファミリーの買い物に同行し
スーパーで必要なものを買い込んだり
ステイ先のプールで泳いだりして
過ごしたぜ

まあっ
ここまでは良かったんだがよ
その翌日の月曜日からは
厳しい現実に直面することになったぜ

彼女がいた頃にゃよ
彼女の運転するレンタカーに
乗りさえすれば
何の不都合もなかったんだがよ

彼女は20代後半で
問題なくレンタカーを借りられたんだが

当時の俺はまだ10代でな
当時は21歳以上でないと
国際免許も取得できなかった時代でな

移動手段がなかった俺はな
高級住宅街という檻の中に
閉じ込められたような状態になったぜ

俺はGated Communityというものに
嫌悪感を持っているんだが
その時まさに俺が檻って感じた
ものを連想させるコミュニティだからだぜ

夏休みにヨーロッパを旅行中で
俺のステイ期間中には一度も
顔を合わせることがなかった
大学生の息子さんの自転車を
ステイ先で貸してもらったんだがよ

よく行っていたスーパーまでも
チャリだと1時間ぐらいはかかってな
ペダルを漕いでも漕いでも
通行人1人見かけることすらなかったぜ