ケーキの切れない非行少年たち」p43より以下を抜粋

“特に自閉スペクトラム症(ASD)をもった非行少年は、独特の拘りを持っている感触があります。
その拘りがいい方向に向けば素晴らしい偉業を成し遂げる事に繋がったりするのですが、例えば、”人を殺してみる事”という方向に向いたなら、それを消す事が中々難しいことがあります”

「ケーキの切れない非行少年たち」p42~43

“ある少年は、人を殺してみたくてある成人の方を刺しました。
しかし、幸い一名をとりとめ、その少年は少年院に入ってきました。
数年いて出院する直前になり、私との面接の流れの中でその少年はこう切り出しました。
「法務教官の先生には叱られるから殺したい気持ちは”なくなりました”と言ったけど、実はまだ消えていません」
「またやってみたい」
その少年がニヤニヤしながらそう答えていたのを鮮明に覚えています。”