原作の希美はみぞれはその他大勢の友達のひとり(無論そんなこというほどデリカシー
ないわけではないが実質的にそれ)、しかし心の奥底には無意識的に
みぞれが希美に抱く以上の執着があった。みぞれのそれはひたすら思慕だが
希美のものはひとことで言えば「むかつく」。
「いうほど音楽好きでもないくせになんでそんなに才能があるんだ。
好きでもないくせになんでそんなに簡単に努力できるんだ」という黒い嫉妬。

リズの希美は「自分はみぞれのたったひとりの親友だし私も親友だと思ってるよ」と
原作よりずっとみぞれへの感情はマイルドでフレンドリー。でも原作同様黒い感情は
うずまいている。
力の差を見せつけられた後、リズの希美はみぞれに敬意をもつようになったし、
本当に友情らしき感情が芽生えたように思う。少なくとも一緒に帰りたいと思うようにはなった。

原作の希美は自分がそういったドス黒い感情を持ってたことを認識して
恥ずかしがったが、その感情をとどめたままみぞれと接してるし、みぞれへの敬意や
友情は卒業後もまだ芽生えてないように思える。
本当に進むべき道を見つけない限り希美はみぞれを芯から応援してやれないし
友情も芽生えないのだろう