困ったときに誰も助けてくれない現実

そんな態度を続けていた塩尻くんだったが、自分が困ったときに、誰も助けてくれないことに直面することになる。

ある日、彼は腕を骨折してしまい、授業のノートを取ることができなくなった。

「誰か、ノート見せてくれない?」

彼は何人かの友人に頼んだ。しかし、返ってきたのは冷たい対応だった。

「いや、ちょっと……」
「ごめん、俺もあんまりちゃんと書いてないし」

表向きは適当な理由をつけて断られたが、本当の理由は「助ける価値がない」と思われていたことだった。

塩尻くんは今まで、自分が人を切り捨てる側だった。しかし、いざ自分が助けを求めたとき、彼には「信頼して頼れる相手」がいなかった。

定期試験前、彼は仕方なく自力で勉強を試みるが、当然ながら授業の内容が抜けているため、理解できないことが多い。

結果、彼は試験で大苦戦し、散々な点数を取ることになる。


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因果応報 ~孤立したその後~

塩尻くんは、他人を利用し、切り捨て、自分だけが楽をしようとしていた。しかし、そのツケは確実に回ってきた。

グループ活動では避けられ、最後に余ったメンバーと組まされる

頼みごとをしても協力してくれる人がいない

困っていても、誰も手を差し伸べてくれない


彼は、気づかぬうちに「周囲から信用を失った人間」になっていたのだ。

しかし、それでも彼は自分の態度を改めようとはしなかった。
「なんで誰も助けてくれないんだよ」と不満を漏らしながらも、自分がこれまでしてきたことを振り返ることはなかった。

そして、気づいたときには、彼の周りに心からの友人は誰も残っていなかった。