産業廃棄物として処分される家畜の骨から人工ダイヤモンドを作ろう――。
熊本県立天草工業高校(天草市)の生徒4人が考えたビジネスプランが、
日本政策金融公庫が開いた「高校生ビジネスプラン・グランプリ」でベスト20に入賞した。
メンバーは、テレビ番組で家畜の骨から人工ダイヤが作れることを知り、
牛や豚、鳥などの骨から人工ダイヤを作って、工作機械向けやジュエリー用で販売するプランを考案した。
家畜の骨は人工ダイヤ作りに必要な炭素を含むが、これまでは産廃として捨てていた。
一方、工作機械には金属の切断や加工などで人工ダイヤを使うことが多く、工業用は1カラット当たり50円程度、ジュエリー用は1カラット当たり約1万円で取引されている。
そこで4人は、752・5キロの家畜の骨を使えば、150万カラットの人工ダイヤを作れて、環境問題の改善にもつながると企画。
収支計画も作り、1年目はダイヤ精製のための外部委託費などで58万円の赤字になるが、
6年目に機械を購入して自社精製することで、7年目には1億7896万円の利益を生むと試算した。
4人のプランは、天草市が2022年夏に開いた「天草宝島起業塾」で最優秀賞を受賞。
同公庫の高校生ビジネスプラン・グランプリにも応募したところ、ファイナリスト10組には残れなかったが、全国455校・4996件から、ベスト20に選ばれた。
代表を務める同校電気科3年の戸北羚(りょう)さん(17)は「実現可能性をうまく伝えられず、ファイナリストに残れなかった」と悔しさをにじませた。
だが将来の起業を目指すメンバーもおり、同校機械科の福川太郎教諭は
「従来の工業高校はものづくりが中心だったが、販売を含めたプランニングや収支を考える契機になった。起業人としてのスキルが身についたのではないか」と4人の更なる成長を期待した。
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