田中刑事さんコーチ修行のためアメリカへ


ネーサン・チェンも数年前まで鍛錬を積み、名伯楽ラファエル・アルトゥニアンもこの地を拠点としてきた。
コーチのキャリアが3年目の終盤に差しかかった田中は、その空気感を全身で吸収していた。

「『コーチとして勉強に行きたい』という思いを持っていました。最初はハーネスを覚えにいって、そこからいろいろな場所に足を運べたら…と考えました」

ジャンプ練習で用いる補助器具のハーネス。コーチが釣りざおのようなものを手にし、選手の空中動作をサポートする。

日本、とりわけ拠点とする西日本で、ハーネスを専門に操れるコーチがいない点も頭の片隅にあった。自身の現役時代にも1度しか使ったことがなかった。

「自分のコーチとしての武器として持ちたい思いがありました。ハーネスそのものはネットで買えますが、教えるのであれば、しっかりと一流のものを見た上で使いたいと考えました」