野口健

未踏ルートを登ることが一流の証明ならば、そもそも僕は一流を目指していません。「心が躍らない」のです。8000メートル級の高山の未踏ルートに挑むことは命をかけることに他なりません。もしもの場合、僕は「納得して死ねるか」と考えると、納得できませんからね。エベレストや富士山の清掃登山の方がずっと心が躍ります。

それに僕は3.5流なりに精一杯、生きているつもり。それでいいじゃないですか。世の中、一流の人ばかりじゃないのだし。