>>635
>それは恩師の一言から始まった。「君もテレビマンなら、安倍君を引っ張り出すために何か企画を考えてくれたまえ」恩師の名は三宅久之。
>そんななかにあって、当番組は他局と比べても安倍さんの出演回数は抜きん出ていた(最終的に十二回に及び、他局の社長からは称賛と嫌味の言葉を掛けられた)
>大まかな内容は「あべちゃん・じんちゃん」と呼び合う同年代の二人が温泉に入り、食事をし、酒を酌み交わす。ただそれだけのこと。企画成立の難題は、たかじんのロケ嫌い。
>単純な企画ではあるが、この企画の裏には安倍さんをもう一度、総理総裁を目指して立ち上がらせるという目論見があった。
>当然、たかじん用のワインは持ち込みである。彼はワイン以外の酒はほとんど口にしない。たかじん愛飲のワインは大阪の北新地界隈では広く知られていたが、「オーパスワン」の赤と決まっていた。
>二〇一〇年十二月、たかじんと安倍さんの「裸の付き合い」が実現した。
>政治向きの話ばかりではなかったが、様々な話のなかで民主党政権に大いに疑問を感じていること、尖閣諸島、基地問題、憲法改正等々、普段、政治的な発言をほとんどしないたかじんが、安倍さんを前に新聞記者よろしく滔々と意見を述べていた。
>私は、その時代を経た「涼風荘」へと続く敷石を踏み締めながら、この宴席が「ある思い」を導き、叶えられんことを密かに祈った。
>そしてたかじんも熱き思いを語った。彼は酒の力か酔いのせいか感極まり、泣き出してしまった(本人の申し入れもあり、そのシーンは放送しなかった)
>日本の将来を憂い、安倍さんへの奮起を促すために安倍さんを囲み、三宅さんも眼を赤くし、たかじんも勝谷も泣いていた。