「すみません」を「ありがとう」に換えると、世間が優しくなる

日本人は、「ありがとう」と言えばいいところを「すみません」と言う。外国語を習っていると、そう感じることがある。

たとえば、レストランが混んでいて待たされたとき、日本の店員さんは「お待たせしてすみません」と謝ってくれる。英語なら「Thank you for waiting」(待ってくれて、ありがとう)なのに。

混んでいるのも、客が予約せずに行ったのも、店のせいじゃないのに、謝ったとたんに、なんとなく自分の不手際のような気がして、店員さんの気が滅入るのではないかしら。一方、「待ってくださって、ありがとうございます」なら、同じ行列も「入れなくても待ってくれるお店のファンの列」に見えてくるはず。

客のほうも、「すみません」と言われると「早くしてね」と言いたくなるところを、「ありがとう」と言われると「自分の意思で待っていること」を再確認して「気にしないで」と言ってあげたくなるのでは?

「ありがとう」が言える店員さんのほうが前向きでいられるうえに、カスタマーハラスメントに遭いにくい気がする。


「すみません」を「ありがとう」に換えると、世間が優しくなる――これは、何も職場に限らない。幼少期からそんなシーンを目撃していると、自然にできるようになるので、子育て中の方には、ぜひ、子どもたちの前で“「すみません」ではなく「ありがとう」”を実践してあげてほしい。

見知らぬ人に注意されたときでも、相手に実害がなければ、「ありがとうございます」で返せばいい。

https://news.yahoo.co.jp/articles/037c8dda341b73a052352773981f805fea9e3984?page=2