――そのときはアンジュルムに在籍していた時代かと思いますが、そうやってイ ンプットしていることとご自身のアウトプットにズレがある状態で過ごしていらっしゃったんですね。

和田:常に、気持ちとやっていることが正反対でしたね。アイドルは個人的な存在ではなくて社会的な存在だということを、正反対な考えを行き来しながら発見しました。
どうにかアイドルの世界も変えられるんじゃないかって頑張ってみたけれど、1人では難しかった。
自分がやりたいと思っていることは、今の会社に所属しながらでは実現できないと思ってグループからの卒業を決意したんです。

――具体的には、どんな働きかけをしていたのでしょうか。

和田:プロデュースされる存在としてのアイドルでも、個々人で表現したいことは違うから、プライベートの時間も含めて個人が大切にされるといいなと思っていたんです。
幼いことや無垢でいること、可愛らしさが重要視されて、大人になるのは良しとされていなかった。前髪を伸ばすことも受け入れてもらえなかったんですよ。
そんな中で、「なぜ私らしい私を表現できないのか」というビラを作って、スタッフの方に手渡したり、草の根運動を続けていたんです。
表立った反応はもらえなかったけど、「みんなで回して読んだよ」ってこっそり教えてくれたスタッフさんもいて。
当時は2018年で、今よりも多様性やジェンダーという言葉が社会に浸透していなかったので、唐突だったのかもしれません。
現在は徐々に変化も感じていますし、ヘアメイクや衣装といった表現もバリエーションが生まれているのではないでしょうか。
労働基準も問題視されるようになりましたし、芸能事務所がメンタルヘルスの相談窓口を設けることも増えてきていると聞いています。
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