>>407
「久しぶりね、綾小路くん」
オレの首にナイフを突きつけている女の正体は、堀北鈴音だった。
「お前の目的はなんだ。どうしてオレを狙う」
「あなたには関係ないことよ。それよりもまずは私の質問に答えて頂戴。私の兄さんはどこにいるの?「それは……知らない」
「本当に?」
「本当だ。信じてくれ」
嘘をつく理由はない。
しかし、堀北はオレの言葉を信じていない様子で、更に力を込めてくる。少しでも動けば確実に喉を掻き切られてしまうだろう。
「なら、質問を変えるわ。私の兄さんはどこ?」
「……」
ここでさっきと同じ質問だろと突っ込むのは自殺行為な気がする。
「それも、わからない」
正直にそう告げるが、堀北の態度に変化はない。
「……なら、もうあなた達には死んでもらうしかないわね。私には兄さん以外いらないのよ」