>>375
「これで、ようやく互角ってとこだな」
「そのようです。ですが、私は負けません。あなたのような才能ある若者をこのままにしておくなんて私は許しはしない」
「随分と熱くなったな。それに、一つ勘違いしてるようだから言っておくけどな。この勝負はオレが勝つ」
オレの言葉を聞き、坂柳の顔色が変わる。
「強がりを。この状況を見て、あなたに勝ち目があると思っているのですか?」
「いいや、ないさ。だけど、あんたもわかっているはずだ。オレは絶対にあんたが思う通りになんかならないってことをな」
「…………」
「オレは自分の人生を諦めたりはしない。最後まで足掻いてみせる。自分の力で生きて、自分だけの未来を手に入れる。それがオレの決めた道だ」