イベルメクチン不正臨床試験はこれを守ってないから臨床試験とは呼べない

臨床試験登録の必要性
https://www.umin.ac.jp/ctr/CTR_Background.htm

科学的論拠-出版バイアスの防止
新しい治療法や手法が従前のものに比して優れていることを示す結果(ポジティブな結果)が得られた場合と、 有意に優れていなかったり期待に反していたりすることを示す結果(ネガティブな結果)が得られた場合とでは、前者の場合に、 より結果が公表されやすいことが知られており、それを「出版バイアス」と言います。これは、一般的に、世の中の関心がポジティブな 結果に集中しがちであることに原因があります。雑誌編集者はネガティブな結果を雑誌に掲載しようとする動機が弱くなり、研究者も、期待に 反した結果であると、論文化に消極的になることがあるためです。
出版バイアスの弊害として、次のようなことが考えられます。ある治療法についてのより真実に近い有効性を示すことを 目的に、関連する複数の試験結果を統合して解析することがあります。このような統合的解析の対象となる試験は、公表 されたものが当然多くなります。 ネガティブな結果は公表されているものが少ないですから、ネガティブな結果が公正に 解析に統合されず、その治療法の有効性が過大評価されてしまう 可能性があります。ここで、研究者がポジティブな結果 だけを意図的に公表すると、研究者にとって都合のよい結論が誘導できてしまうことになります。 また、無効な治療法が 公表されないために、実施する意義のない試験が繰り返されることは、研究資源の浪費とも言えます。
ある試験を登録することで、その試験をスタートとしての試験登録から、結果公表というゴールまでたどり着いているか を確認することができ、 出版バイアスの存在の可能性を知る手掛かりとなります。出版バイアスが疑われる場合には、関連する試験結果の見方が変わってくるとことが考えられます。

倫理的義務
医学研究に携わる者の倫理指針を示すヘルシンキ宣言において、ポジティブな結果、ネガティブな結果とも広く利用可能 な方法で公表しな ければならないという条文があります。試験結果が世の中に還元され、活用されることを願っている試験 参加者への倫理的配慮からも、ネガティブな場合を含む結果の 公正な公開が求められています。
実施する意義のない試験が繰り返されることは、上述したように研究資源の浪費ばかりでなく、参加者に不利益をもたらす ことにもなりかねず、 研究実施における倫理にも関連する問題です。