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淫らな心が魂の輝きを覆い隠しになる。

小指の陰紋はこの人の心に棲む「淫婦」を表している。
この淫婦は足もとから魂を籠絡しようとしているので、それを制御できるか否かが、この人物の課題になる。

淫婦はユングの説くアニマ・アニムス原型であり、
魂の世界に通じる集合無意識の入り口の番人である。

それゆえ、この淫婦と情を通じ、うまく意識に取り込めば大いなる魂の世界の宝を得るが、
淫婦に取り込まれるとみだらな小人となる。

「この淫婦の扱いは宗教上の一大テーマであり、密教、タントラヨーガ、道教の房中術・錬丹術、クロウリーの性魔術などは、みなこの淫婦を召喚し、それを使役し昇華させることを目標としてきた。

小指の陰紋の淫婦(女性・無意識・欲望)が、残り4本の陽紋(男性・意識・理性)に秋波(ながしめ)を送っている姤紋の持ち主は、高い精神性と通俗性の間を彷徨いがちになる。

欲望の吸引力には抗しがたいが、しかし心のどこかから、もっと違った世界があるだろうと心の声が聞こえて来るはずだ。
それが魂の声だ。その声に従わなければならない。」

易経のアドバイスはむずかしい。
淫婦は娶(めと)ってはならず、さりとて殺してもいけない。

淫婦との結合が天地万物を生むからであり、淫婦は"万物の母"そのものだからだ。

無意識世界と意識世界の橋渡し、調停ーそれがあなたの魂の進む方向である。