シャッフル戦隊「GOODM!X」第二話

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
0001名無し募集中。。。2024/02/17(土) 10:35:09.860
ごく普通の女子高生 橋迫鈴は、謎のお菓子「つぶグミ」を偶然食べたことにより不思議な能力に目覚めてしまう。
そのことを知った悪の組織「アミー」に命を狙われた橋迫は「つぶグミ」の開発者の娘 北原ももに間一髪のところを助けられ、共に「GOODM!X」として戦う宿命にあることを告げられる。
幼馴染のほまれ、同級生の西田、音大のお嬢様有澤、謎多き女結心、それぞれの運命が交差し戦火は拡大の一途を辿っていく…
果たしてGOODM!Xはアミーの野望を打ち砕くことができるのか…
そして「つぶグミ」が開発された真の目的とは…

0035名無し募集中。。。2024/02/20(火) 01:36:16.200
>>30
あの日アミーに完膚なきまで叩きのめされて私たちの自信は揺らぎかけた
そんな時、ももが言った一言に救われた
「人って弱い生き物だよね、1人では。」
「もも…」
「でもね、みんなといると何でもできるような気がするの。みんなといれば無敵にもなれる。みんなを巻き込んであれだけど、もう少しだけ私に付き合って」
「当たり前じゃん!負け逃げってワタシの柄じゃない」
「そやな。アミーのケツしばかないと気がすまん!」
「一華ちゃん下品〜w」
「コホン、冗談は置いといて。私たちには可能性がつまってるんだぞぃ!」
「それじゃあみんな!ダンシングシンギングエキサイティング!」「おーっ!」
そして私たちは血の滲むような特訓をした。それについてはまた後で…
それから私たちは新たな"武器"を手に入れた
「一華ちゃん!」「あいよ!いくで相棒!」
「マスター。まかせといてな!」

0036名無し募集中。。。2024/02/20(火) 01:39:26.880
『お…おぱんちゅ!』独特な断末魔を残して怪人は爆発した。同時に複数現れた怪人の生体反応。「危なかったら必ず逃げて助けを待つ」これを絶対条件にGOODM!Xは各々現場へ向かった。
ほまれが駆けつけた場所にいた怪人は大したことがなかった。いや昔なら苦戦してたかもしれないが… たくさん特訓を重ねた成果が確かに表れていた。
「ふっふっふ、今のおぱんちゅキックは歴代でもかなり美しかったな…!」ほまれは変身を解き満足そうに微笑む。鼻は高々伸びまくっていた。そんな現場に子どもの大声が響き渡る。
『ユウミー!!!!エバのつぶグミ返して!!!!』「…結心?」振り返った先に仁王立ちの少女。『あれ?ユウミじゃない…』どうして子どもがこんなところに……
『おい!今私のことガキだと思っただろ?』「お、お、思ってないよ!」必死な否定が嘘を際立たせる。しかしあの服装…この前の幹部のやつと似ているような…
『あれ?ていうかそれつぶグミ!?』少女の瞳がキラキラと輝いた。「つぶグミ?新しいお菓子かな?」ほまれは海外コメディくらい白々しい顔で嘘をついた。どうしてこの子はつぶグミのことを…
『あんたさ、やっぱり嘘下手だね』
ほまれの脳内で走馬灯が駆け巡る。初めての変身…家族の思い出…恐ろしい敵…みんなの笑顔……遠くで吠えていた少女はいつの間にか視界から消えていて、自分の腹に拳をブチ込もうとしていた。
ボゴォ!という鈍い音と共にほまれの身体は岩壁まで吹っ飛ぶ。『よっしゃー!w』少女は吹っ飛んだ先に向かって吠えた。砂埃が巻き上がり、そして風に流されていく……すると黄色いスーツを纏った戦士が姿を現した…

0037名無し募集中。。。2024/02/20(火) 01:42:16.740
わお、かぶってしまった
また今度にする

0038名無し募集中。。。2024/02/20(火) 07:42:46.910
かまへんで
パラレルワールドってことで

0039名無し募集中。。。2024/02/20(火) 12:44:25.340
じゃあ後でまた書きます

0040名無し募集中。。。2024/02/20(火) 20:46:52.540
>>36
「げほ…」変身が一瞬でも遅れていたら間違いなく死んでいた… ほまれの腹には重い痛みがズキズキと響く。大型トラックが高速で腹に突っ込んできたような…体験はしたことないがそんな衝撃だった。
エバは変身したほまれの姿を見て絶句していた。そして泣きそうな顔でワナワナと口を開く。『じ、自慢してる…!エバがデイジーの服好きなの知ってて…!』
ボルテージがみるみると上がる様子を見てほまれは身構える。いくら変身しててもあれをもう一発食らったらやばい… そんな思考を巡らす間にも右フックが自分の目の前に飛んで来ていた。それを間一髪で躱す…!
続けて左アッパー…右の蹴り上げ…後退りながら全て紙一重で空を切る。風圧で顔がビリビリした。そして鼻先に来ていた踵が勢いよく真下に振り下ろされる。それも外れるとバゴッという音と共に踵で地面がめりこんだ。
「嘘でしょ…」一発一発が死と隣り合わせだ。『ユウミが持って行っちゃったのはもういいや。そっちの色の方がかわいいし。』「黄色好きなの?」『好き!』「あげませ〜んw」ほまれは全力で悪態をつく。
『この…!』エバが大きく踏み込んだところでほまれの掌底が先にエバの鼻に炸裂した。『う…』リーチはほまれに分があった。そして苛立たせて単純な踏み込みを誘う。この誘導も特訓の成果だ。
『あれ…あれ…』エバの目はなぜか涙で滲んでいた。「おぱんちゅ拳だ…」ほまれは世紀末を生きているような顔つきでそう言い放つと雑木林の中へ逃げ込んだ。

0041名無し募集中。。。2024/02/20(火) 21:05:27.590
『に、逃げるのか!』エバは瞬足を飛ばして一気に追いつき、その勢いのまま拳をぶん回す。ほまれがすんでのところで躱わすと空を切った拳は近くの木を薙ぎ倒した。
そのまま折れた木同士がピンボールのように弾け飛び回転して、タイミングよくエバの横腹にヒットした。『うげっ』そのまま横へ吹っ飛ぶエバ。だがその程度では大したダメージはない。
即座に追いつき横からタックルを見舞う…がそれも躱わされると木に衝突して大量の毛虫が!勢いよく飛び蹴りをしたら着地先が沼地で自分だけ泥まみれに!だがその程度でダメージは…
『クソー!なんなんだよ!』苛立つエバを尻目にほまれは雑木林を抜け、その先にあった廃屋の中へと駆け込む。『絶対逃さない!』エバも一目散で中へ入った途端に横から強い衝撃を受けた。
壁際で待ち伏せしていたほまれの掌底がエバの左肩にも炸裂した。横に吹っ飛んだエバはゴロゴロと転がり壁にぶつかる。起き上がろうと壁に手をかけると壁がぼろぼろと崩れて尻もちをついた。その上に壊れた資材がガラガラと落ちる。
大して痛くないはずなのにエバの目は更に涙で滲んでしまう。『なんで…』無防備に立ち上がるとすぐ横にほまれが立っていた。更に左頬へ掌底が入る。よろけるエバの視界は涙でぐにゃぐにゃだった。
『うぅ!くそ!こんな目眩しで!』必死に目をこするエバにほまれが憐れむように語りかける。「かわいそうに…」声の先で霞んだ目に黄色い人影が映る。
『調子乗るなよ…!』エバは最短距離、最高速度で一気に距離を詰め右ストレートを食らわせる。しかし殴ったのはほまれではなく交通整理用のリアルおじさん人形だった。
おじさん人形が爆速で吹っ飛び廃屋の錆びれた支柱を数本真っ二つにへし折ると、廃屋はコントのように倒壊してエバはその下敷きになった…

0042名無し募集中。。。2024/02/20(火) 21:28:20.950
おぱんちゅ拳は目眩しではない。ただ食らった分だけかわいそうな目に遭ってしまう拳だ。目が潤んでしまうのは、ただほまれが可愛いと思って付与しただけだった。
瓦礫の山を掻き分けてエバがふらふらと立ち上がると太陽の光で目が眩む。そしてその逆光の中から飛び蹴りする人影が飛び込んできた。
「ローリングおぱんちゅキック!!」
エバの胸元に蹴りが炸裂し、うさぎ型の紋章が光る。『う…が……』紋章が閃光のように弾けると同時にエバは後ろへ吹っ飛んだ。『お、おぱんちゅ…』そのままパタリと倒れ込む。
怪人のように爆発はしなかった。怪人とはまたちがう存在なのか…? ほまれは急に起き上がりはしないかと遠巻きにじろじろとエバの様子を見る。
火事場の馬鹿力とでも言うべき命の危機を感じてここまで戦ったが、もう体力は限界だ。最初の爆裂なボディブローのダメージは思いの外深刻だった。
すると地面がグラグラと揺れだしてほまれは思わず片膝をつく。まだ敵がいるの…? エバの近くの地面が大きく盛り上がると、現れたのは巨大なタコ……

0043名無し募集中。。。2024/02/21(水) 04:17:54.290
職人さんおつ
可哀想に先生w(おぱんちゅうさぎの作者)

0044名無し募集中。。。2024/02/21(水) 12:29:35.550
>>42
「ひ、ひぃ!」さっきの廃屋くらいある大きなタコにほまれは思わず後退る。『もう!1人で出かけちゃダメってアミーさん言ってたでしょ!私達ネクストユーは人類の未来を担うんだから…』
タコが喋ってる…いや中に人がいる…?タコはギョロリとこちらを見た。『え!?ちょっとまだここに居たんですか!?早く他の所へ助けに行ったらどうなんですか!』タコに言われる筋合いはなかった。
『と、とにかく今の話は聞かなかったということで!!』巨大タコは倒れているエバを中に取り込むと、土色に擬態してずるずると穴の中に戻って行った。
ネクストユー…?その言葉に疑問を持ちながら、ほまれはどさりと倒れこんだ。自然と変身が解ける。もう動けないや… 生身での腹の傷を見る勇気はなかった。
「ほまれちゃん!」「ほまれさん!」遠くから自分を呼ぶ声がする。「死、死ん…」「いや生きてます。」うっすらと開けた目に汐里とももの顔が映った。ももは冷静に傷の処置を進める。
「急いで基地に戻りましょう。つぶグミの力から細胞回復を促進する装置があります。」汐里は慌ただしく転送の準備を始める。「危なかったら逃げるって約束したでしょ!」そして涙目でほまれに怒った。
「いや逃げるどころじゃないって… つうか勝ったし…!」ほまれは苦痛に顔を歪ませながらどやる。「行きましょう!」ももが転送装置のスイッチを起動させると、2人でほまれを抱えて装置へ入っていった……

0045名無し募集中。。。2024/02/21(水) 12:34:11.380
一気に連投すると落ちると聞いたことがあるので変なところで止めてしまったがこれで一区切り

0046名無し募集中。。。2024/02/21(水) 19:06:32.410
了解しました

0047名無し募集中。。。2024/02/21(水) 22:18:39.660
地獄からの使者 スパイダーりか

0048名無し募集中。。。2024/02/22(木) 08:46:50.790
サヤリン(巨大ロボ)

0049名無し募集中。。。2024/02/22(木) 14:43:18.610
ほまも結構大きいな(背が)

0050名無し募集中。。。2024/02/22(木) 18:50:14.530
>>35
新しい武器…
「お待たせしました。」
「ももちゃんおつかれー。やけに神妙な顔して『あなたの大事な相棒を貸してください』なんて言うからー。水臭いで。ウチらの仲やないか。って……なんじゃこりゃああああああああーっ!」
「もも、もしかしてこれ…」
「そうです、汐里さん。これはつぶグミをはめ込むためのスリットです。」
「ももちゃん、この穴ボコと武器がどう関係あるの?」
「ほまれちゃん、穴ボコじゃなくてスリットね。」
「やーい、ほまれのばーかw」
「りんりうるさい!この脳筋!」
「あんたたち!いい加減にしなさい!」
汐里の鬼のような形相にシュンとするほまれと鈴。
「コホン、つまりこのスリットにつぶグミをはめ込むと武器がパワーアップされる。そうなんだよね?もも。」
「汐里さん、ご名答です。スリットにはめ込むグミの数や組み合わせによって武器が変形したり、技が出せるみたいです。父の残した文献によると、その数は74だとか…」
「待ってもも。今私たちが持っているつぶグミはそれぞれ1個ずつで6個。そのスリットは6個ずつだから、全部で36個ないと。あとの30個は?」
「奪われたわ。あなたのよく知っている人にね。結心。」
「はい…アミーが多分。」

0051名無し募集中。。。2024/02/23(金) 05:34:38.050
GOODM!Xのオマケ付き魚肉ソーセージ

0052名無し募集中。。。2024/02/23(金) 14:02:56.580
後楽園ゆうえんちでGOODM!Xと握手

0053名無し募集中。。。2024/02/23(金) 16:52:11.770
アジトの地下シェルターの更に地下深くにある駐タコ場。そこから上がってきたユメが泥だらけのエバをおぶって裏口からロビーに入ってきた。「ただいまですー。」
『うわ!外で泥落としてきなさいよ!』イスでくつろいでいたキソが叱るとアミーが笑った。『お母さんみたいw』ユメは言われるがまま再び裏口に向かっていく。
「おぱんちゅ…」エバはまだうなされていた。『なに おぱんちゅって…? ユウミに何されたの…?』キソが怪訝そうに尋ねる。「ユウミじゃないですよ。黄色のGOODM!Xにやられてました。」
『えぇ!? キソ、びっくり…』まだお子ちゃまとはいえ、あんな弱っちいやつらの1人が文字通り人間離れしてるエバを倒すとは… キソはあまり想像がつかなかった。
アミーは何を企んでいるのかずっとニヤニヤしていた。『彼女たち良い感じに育ってたからねえ。』そしてエバをおぶったままのユメの後ろにスッと歩み寄る。
『こんなにされちゃってかわいそうに…おぱんちゅがどうしたの?取り替えようか?』目尻を垂れ下げながらエバのお尻をさすると反撃の足蹴がみぞおちにヒットした。

0054名無し募集中。。。2024/02/23(金) 17:06:54.020
『お…起きてたんだ…』アミーはなぜか嬉しそうだった。常人なら内臓が潰れている。『あなたたちネクストユーは人類の未来を担うの。私たちの愛と科学の結晶…!だからあまり心配させないで…!』
大袈裟な泣きの演技にエバはシラけた顔でユメの背中を降りる。「黄色のつぶグミくれたらお家に居てもいいよ。」そう言い残して裏口から出て行ってしまった。
アミーはその様子を見て震えていた。『もしかして反抗期かな!?ネクストユーにも反抗期があるなんて…!!うわー凄い発見じゃん興奮してきたお尻も可愛い…!』
ユメは目をぱちくりさせたまま無言でアミーを見つめ、キソは呆れたように返す。『データ取らなくていいの?』『あ…』つぶグミとの接触データはかなり貴重だ。
「私呼び戻してきます!」あたふたと裏口へ向かうユメ。『今日の夕飯はビビンバだよって言っといて!』その背中にアミーが声を掛ける。『大変だねお母さんはw』キソはそんな様子を見て笑っていた。

0055名無し募集中。。。2024/02/23(金) 23:50:21.890
>>45
>一気に連投すると落ちる
これはスレ立て直後に短文連投した場合だけですよ

0056名無し募集中。。。2024/02/24(土) 00:34:45.390
そういうことでしたか
勉強になった

0057名無し募集中。。。2024/02/24(土) 10:49:18.260
GOODM!Xvsアミー真冬の札幌決戦
〜パンダさんとタコと伊勢海老を添えて

0058名無し募集中。。。2024/02/24(土) 16:21:38.340
雪だるま怪人と戦うGOODM!X

0059名無し募集中。。。2024/02/24(土) 21:46:12.000
あかねちん「誰が雪だるまだって!?」

0060名無し募集中。。。2024/02/25(日) 02:55:16.060
つぶグMISIAに変身する汐里

0061名無し募集中。。。2024/02/25(日) 13:35:57.370
>>57 フランス料理ですかよ

0062名無し募集中。。。2024/02/25(日) 21:03:10.850
汐里「変身!」
(上からターバンが舞い降りて頭にグルグル巻かれる)
汐里「夢ぇさえ〜!、へぇがけな〜い…!」
ほま「う、上手い…!」
鈴 「涙が止まらない…」
もも「美しい…」
一華「これが真の"音楽"なんだ…!」
結心「あなたにつぶグミの全てを託したい…」
キソ「キソ、号泣…!」
アミー「私の完敗ね…!」
全員「しーおーり!しーおーりー!(胴上げ)」
・・・

ガバァッ!
汐里「ゆ、夢か……」

0063名無し募集中。。。2024/02/26(月) 02:28:48.150
鈴は全力で走った。というより逃げた。出くわした怪人に勝てなかったからではない。そもそも戦っていないので実際の強さもわからない。ただ生理的に無理だった。
『ツブグミ!』怪人バッタ男は鈴を追いかける。人というより二足歩行してるバッタという方が近い。「無理無理無理!最悪だ!」虫嫌いの鈴は泣きそうだった。
廃工場周辺を駆け回る2人。バッタ男は数十m離れた距離からジャンプ一番鈴に飛び掛かる。鈴は急旋回してそれを躱わすと、その勢いのまま壁を走って狭い路地へ駆け込んだ。
鈴がつぶグミから力を引き出した能力「アイノケダモノ」は、変身後の身体能力を自由に引き上げることが出来る。そこに限度はない。ただしその負荷に鈴の身体が耐えられればの話だが…
小道の後ろからバッタの影が追ってくる。「しつこいな…」チラリと後ろを見て視線を前に戻した瞬間、目の前に突然現れた女性の姿。「うわ!」鈴は反射的にその女性をジャンプで飛び越える。
そして後ろからバッタ男が追いかけてきていることを思い出した。「やば!」一般人を巻き込むわけには…反転すると既にバッタ男は走る勢いのまま女性に齧りつこうとしていた。
間に合わない!「逃げ…」鈴が口を開いたその時、バッタ男の身体は勢いよく燃え上がった。そのままバチバチと音を立てながら女性の横に倒れ込む。
『キモ…!これウチの怪人?絶対遊んで作ったやろ…』女性は黒焦げのバッタ男を足で小突く。鈴は女性の服装にどこか見覚えがあった。以前に戦ったあの幹部と同じ…

0064名無し募集中。。。2024/02/26(月) 02:35:04.980
『あんた、つぶグミちゃんやろ?ウチはピンマオ。マオって呼んでな。』マオはニッコリと鈴に微笑む。鈴は苦笑いを浮かべて目を合わせたまま一、二歩退がった。
『サオリに邪魔や言われたから怪人居るとこ適当に飛んできたらビンゴ。実はな、ウチも赤好きやねん。』明らかに怪人と違うオーラ。キソに全く歯が立たなかった時の光景が脳裏を過ぎる。
危なかったら逃げて助けを待つ。出発前の約束も頭にチラつく。少しの沈黙が続いた後、マオが口を開いた。『あれ?緊張してるん?まあそんな心配せんでもすぐ終わらせたるわ。』
ダンッ!という足音と共にマオは一瞬にして距離を詰めて鈴に掴みかかる。すんでのところで躱わした鈴へ更に打撃の応酬。鈴もギアを上げるが躱わし切れない。
打撃を掠めた箇所が焼け焦げるように熱い。バッタ男が燃え上がったのもやっぱりマオの能力… 掴まれるのはかなり危険だ。カウンターで距離を取って凌いでいくしか…
鈴は打撃の合間を縫ってガラ空きになったマオの側頭部に目を付けた。そしてアイノケダモノのギアを更に上げて渾身の左のハイキックを放つ…がそれは誘いだった。
マオは蹴りを受けながら両手でガッチリと鈴の足首を掴む。「う、うわあああ!!!」素足が焼けた鉄で鷲掴みされたかのような熱さ…!スーツからブスブスと火花と煙が上がるのを見てマオは首をかしげた。
『アカン全然燃えへんやん。やっぱつぶグミって強度エグいな。』鈴の身体はドクドクと更にギアが上がる。死への恐怖なのかアイノケダモノの限度を超え始めたからなのかはわからない…

0065名無し募集中。。。2024/02/26(月) 02:42:35.600
「うぅ…!」掴まれた左足を軸に回転して倒れ込むように超高速の右ハイキック! 『ぐっ…』グラついたマオの手が左足から離れた。今しかない!
そこから更にギアを上げてすぐさまボディの連打、左フック、そして胸ぐらを掴み背負い投げのようにして廃工場に向かって思い切り投げ込む!
ドガガガッと物を薙ぎ倒すような音と共にマオの身体は建物内へ飛んで行き、鈴はまた更にギアを上げてその後を追う。マオの身体が壁に受け止められたところに勢いを存分につけた鈴の飛び蹴りが突き刺さった。
『ガハッ・・・』赤い紋章が浮かび上がり、マオの身体をめり込んだ壁ごと後ろに弾き飛ばす。貫通した隣の部屋は瓦礫が崩れて埃が舞った。
「ハア…!ハア…!」鈴は膝から崩れて両手を突きうずくまった。呼吸が苦しく頭がグラグラする。動悸は激しく身体中が痛い。脂汗が頬を伝った。
特訓した日々を思い返すと、あの頃引き出せたのは体感でせいぜい140%くらい…?それでも使用後はしばらく体中がバキバキに痛くて動かなかった。
「ギアを上げすぎると暴走して鈴さん自身の身体が壊れるかもしれません。」結心に言われた言葉も頭をよぎる。危機感とアドレナリンでよくわからないが、140%を大きく越えてるのは明らかだった。
怪人のように爆発した様子はない。倒せたのか…?いや倒せなかったとしても隠れるくらいの時間稼ぎは…そんな淡い期待を裏切るように瓦礫の中でガラガラと音が鳴った…

0066名無し募集中。。。2024/02/26(月) 13:47:38.070
4べえの界王拳だ

0067名無し募集中。。。2024/02/26(月) 23:59:30.260
服がボロボロになったマオが姿を現す。『ゲホッ…いやめっちゃ効いたわ…こんな力隠してたなんて…でももう限界やろ?』マオの顔からうすら笑いが消えていた。
鈴が生唾を飲んで虚ろな顔を上げると、かざされたマオの右手にエネルギーが集まっていた。そしてそれが巨大な火球となって超高速で鈴へ放たれる!
死…!という認識より先に身体が動いていた。横へ跳んでそれを避けると火球は己の形のまま周囲をエグり取るように廃工場を突き破っていった。
マオは待ち構えてたように先回りして鈴にミドルキックを食らわせる。「あぐ…っ」鈴の身体がくの字に曲がるとマオは鈴のスーツを掴み投げ飛ばす。
『お返し!』そしてそれを追いかけ熱で爛れた鉄の如き足での飛び蹴り…!鈴は間一髪でそれを避けた。鈴というよりつぶグミが鈴を動かして避けたと言ってよかった。そこに適合者の身体の限界は考慮されない。
壁に突っ込んだマオに鈴は即座に大振りな左フックを打ち込む。肩で受けたマオにその勢いのまま右ストレート。それもガードされるとそのまま壁に押し込む。
そして壁が壊れてマオが後ろへ倒れると、飛び上がった鈴が天井で反動をつけて一気に急降下し踏みつけにいく。マオが反転してそれを躱わすと鈴の足は床にめり込んだ。
『つぶグミちゃん、さっきと人が変わってない?もしかして壊れた?』苦笑するマオを鈴はギョロリと睨みつけ、息を荒げたまま無言で殴りかかる。
自分の意思で動いているような…勝手に動かされているような…そんな狭間に鈴の自意識はあった。このまま自分は自分でなくなってしまうのか……

0068名無し募集中。。。2024/02/27(火) 11:44:05.800
つづく

0069名無し募集中。。。2024/02/27(火) 13:08:09.940
>>50
「ええええええええええええーっ!!!!」
結心の思いがけない一言に驚く一同。
「ふぇ?どないしたん?」
「正しくはアミーの父、谷本博士が…あんなのを博士なんて呼ぶのも汚らわしいけど…」
ももはわなわなと身体を震わせながら硬く拳を握っていた。
「もも、辛かったら無理して話さなくてもいいんだよ。」
「汐里さんありがとう。でもぜひ話をさせて。みんなを巻き込んだ責任だから。」
もものいつもとは違う真剣な眼差しに黙って頷く5人。
「パパ、北原博士と谷本、そして山崎さんは大学の山崎ゼミの生徒だったの。山崎さんは知ってますよね、汐里さん。」
「うん、ユハネのお父さんとおじいさんね。ユハネは友達なんだ。ちょっとばかり変わった子だけど。」
「少し話は長くなるけどいいかなGOODM!Xに関わる話につながるから。」
「分かったわ。ももちゃんお願い」
「かまへんで〜」
「うん」
「りょ♪」
「わかった!」

0070名無し募集中。。。2024/02/27(火) 23:46:13.180
まだまだつづく

0071名無し募集中。。。2024/02/28(水) 00:56:39.260
がんばれ職人怪人

0072名無し募集中。。。2024/02/28(水) 08:45:27.310

0073名無し募集中。。。2024/02/28(水) 19:28:42.620
滾れ!GOODM!X

0074名無し募集中。。。2024/02/29(木) 00:32:54.770
>>67
マオは鈴の打撃を凌いで右手首を掴むが、さっきのような悲鳴は上がらない。鈴は止まらず左の殴打に掴まれた右手を引き寄せて前蹴り。マオはガードと共に右手を離した。
鈴の右手首からは火花と煙が上がっていた。「フーッ!フーッ!」大荒れな呼吸はまるでケダモノ。『あーあ、やっぱり壊れとるわ。』マオの顔は憐れむようだった。
鈴の身体からは赤いオーラが蒸気のように揺らめいていた。身体がガクつき片膝を突くが、鈴は痛みも何も感じない。身体の主導権はつぶグミにほぼ移っていた。
『早よ楽にしたるわ。身体が燃えカスになってもつぶグミが残るのか知らんけど。』片膝をついてうなだれる鈴の顔の下から助走をつけたマオの右脚が高速で振り抜かれる。
鈴の身体は仰け反るようにしてそれを避けるとギアがまた更に上がっていき、そしてそれを最後に鈴の自意識は途絶える。つぶグミが完全に身体の主導権を握った…
鈴の身体に残されたのは、つぶグミの防衛本能による外敵排除の意思のみ。マオの追撃を人間のそれではないバネを使って躱すと、リミッターの外れたスピードとパワーで反撃に転ずる。
マオは思わずガードを固めるもその上から否応なしのラッシュに身体が弾き飛ばされた。『こいつ無茶苦茶や…!』鈴の身体はまさにオーバーヒートしていたが、ラッシュは一切止まる気配がなかった……

0075名無し募集中。。。2024/02/29(木) 11:47:55.000
>>72
おぱんちゅ星人?

0076名無し募集中。。。2024/02/29(木) 21:34:34.110
>>69
「突然ですが、みなさんが今1番欲しいのものは何ですか?」
「いきなり何?ももちゃん。」
汐里は唐突なももからの問いかけに戸惑っていた。
「私はおぱんちゅうさぎのクレーン限定特大ぬいぐるみ!」
「まーたおぱんちゅうかよwほまはマジガキだな〜」
「うるさい!りんりは同い年じゃん!」
「りんは精神的にお・と・なだから〜♪」
「大人はトカゲとか好きじゃないし〜w」
「お前こそキモいうさぎ好きなくせにww」
「あ・な・た・た・ち・い・い・か・げ・ん・にしなさーい!」
「「ごめんなさい…」」
「し、しおりちゃん、人それぞれだから…」
「取り乱してゴメン…で、1番欲しいものだっけ?難しい質問だよね。」
「うちは音楽の才能かな〜。いくら練習しても本当の天才には遠く及ばないんだよね。」
「一華ちゃんがそんな風に思ってたなんて意外〜。謙遜しなくてもいいのに」
「えへっ、ありがとう。でもね、上を見たらキリがない。そんな才能が簡単に手に入ったら楽なんだけど。そんな夢みたいな事あるわけないし。」
「そうだね、そんな望みが簡単に叶えたららくだよね。才能が欲しい、力が欲しい、永遠の若さ、命…」
ももはソファーから立ち上がり歩きながら語り続ける。

「3人の研究はそんな些細な事から始まったの。雲を掴むような難題。試行錯誤を繰り返した末にあるものを見つけたの。」

0077名無し募集中。。。2024/02/29(木) 21:57:41.280
>>76
「みなさんはDNAって言葉を聞いたことがありますか?」
「うん、デオキシリボ核酸だっけ。友達のココロが一時期その言葉にハマってしつこく連呼するから名前だけは知ってるわ。」
「理科の授業で聞いたわー。なんか螺旋みたいなのが体の中にあるんでしょ。」

0078名無し募集中。。。2024/02/29(木) 22:55:54.780
>>77
「あのー…歳下2人組が知恵熱出してますけど…」
「結心ちゃん、おばかさんはほっといていいわよ…」
(あーあ、また汐里ちゃんからエンドレスお説教だ…)
「ももちゃん、話の腰折って悪いんやけど、DNAと発見の話って関係あるん?」
「ごめんね。もう少しで話は終わるから。」
ももは何処から出したのか、白衣をばっと羽織りメガネをかけて謎のキメポーズでドヤって見せた。
「人間の身体はDNAで構成されていると言われます。その中の99.9%は全て同じなんです。残り0.1%で鼻や目、肌の色などの身体的特徴が決まります。」
「生命の神秘、ですね。」
「そうです。ただ、数百万の配列の0.1%ですから…その中からパパたちは人類の可能性に繋がる新しいDNAを発見したんです。その名は…ニッポンノDNA!」
(なぜだろう、心と身体が踊り出しそうになった)

「ニッポンノDNAは他のDNAと結びつく事で驚異的な力や能力を発揮されるとパパの研究に記されていました。ただ、どれと適合するかはまだ分からなかった。更に研究を続け、ついに適合するDNAとその結晶体を作り出すことに成功しました。」
「それが、つぶグミですね。そして私達6人が見事に適応者になった。ということです。」
(結心ちゃん、なぜに解説者になったん…?)
「ももちゃん、さっきつぶグミは36個あるって言って、6個以外は奪われたんだよね。」
「はい、谷本が…ひっ…無理やり…ぐすっ…パパがぁっ…」
「ももちゃん、もういいよ。分かったわ。無理しないで」
汐里は泣きじゃくるももの背中を赤ん坊をあやすように優しくさすった。
(こんな小さい子には残酷すぎるよ。ずっと一人で抱え込んで戦ってきたんだ…)

0079名無し募集中。。。2024/02/29(木) 23:44:25.070
>>78
「ひぃっ、ぐすぅっ、ももももももももぢゃああああああああああーん!なんでぇがわいそうやあああああああああーっ!」
「一華ちゃん、泣きすぎ。まるでおぱんちゅうさぎみたいに顔で、鼻水まで〜」
「ほまっ!誰がおばんつや!ぶさいくいうなっ!」
「ぇ、そんなこと言ってないしぃ〜」
「あ・な・た・た・ち」
般若モードになる汐里を見て凍りつくほまれと一華。

「あははははっ!一華ちゃん、泣きすぎだよぉ。可愛いのにそんな顔したらもったいないよ。」
「せ、せやな。これでもなにわのセリーヌって言われてるんや〜♪」
(一華ちゃん、それは違うと思います。)
「みんなごめんね。巻き込んだ上に湿っぽい話までしちゃって」
「水臭いよもも。うちらは友達。困った友達は放って置けない。」
「鈴ちゃん…ありがとう。」
「あの、すみません。」
「結心ちゃん、なあに?」
「私、実はアミーの元部下だったんです。ごめんなさい!言おうと思ったんだけど、言いそびれて…もうアミーとは何の関係もありません。こんなひどい私だけど、みんなと一緒に戦いたい…」
「あかん。あかんで。」
「一華ちゃん!」
「まあまあ、慌てなさんな。結心ちゃん、自分をそんなふうに卑しめるのはあかん。過去なんて大したことない。大事なのは今や。未来へさあ走り出せ!や」
「一華ちゃん…ありがとう。それで、アミーについてなんだけど、とある日アミーが白衣を着た人と一緒に組織の研究所に入って行くのを見かけました。後ろ姿しか見られませんでしたが、おそらく山崎博士かと。」
「私たちの目的は決まったわね。残りのつぶグミの奪還と山崎博士の救出。そして、アミーをやっつける。あと…ほまれ!鈴!一華ちゃん!反省会始めるわよっ!」
「え〜っ!」「ひでぇ〜!」
「なんで?なんで!?うち巻き込まれ?」

(パパ、パパがいなくなって寂しいけど、ももにはこんなにたくさんのお友達が出来たよ。頑張ってみるから天国で見守ってね。)

0080名無し募集中。。。2024/03/01(金) 00:00:54.950
ちょっと回り道をしましたが一華&結心VSサオリ戦を再開します

次回予告
サオリの猛攻に徐々に押されていく一華と結心
諦めない心がある限り可能性はゼロじゃない
一華と結心の協奏曲が奇跡を起こす?
次回〜可能性のコンチェルト〜
「好きな食べ物は硬い桃♪」

0081名無し募集中。。。2024/03/01(金) 11:51:21.600
乞うご期待

0082名無し募集中。。。2024/03/01(金) 12:21:09.010
帰ってきたGOODM!X

0083名無し募集中。。。2024/03/01(金) 23:21:40.260
乞うご期待

0084名無し募集中。。。2024/03/01(金) 23:22:02.750
いっちゃん…
。・゜・(ノД`)・゜・。

0085名無し募集中。。。2024/03/01(金) 23:51:08.450
間に合わなかった…

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています