0001名無し募集中。。。2023/04/22(土) 03:26:36.070
この世界とは別の位相に存在するアストラル界。
その支配者であるダークネスと人類との死闘は、歴史の水面下で幾度となく行なわれてきた。
今また人類の存亡をかけた戦いが始まろうとしている。
0002名無し募集中。。。2023/04/22(土) 03:36:43.070
高橋愛は瓦礫に埋もれていた。
まさか東京にこれほど大きな地震がくるなんて思いもよらなかった。このまま崩れてきた建物の残骸に潰されて死んでしまうのか。
そう思った矢先、声が聞こえた。声は<ガイア>と名乗った。自分を地球の抑止力だと言った。わけが分からなかった。
ただ、このまま死ぬのは嫌だった。だから声に従った。声はダークネスを討てと言った。もしかしたらそれは今目の前に立っている無数の影なのだろうか?
高橋は頭を持ち上げで薄れゆく意識の片隅で影たちを見やった。
0003名無し募集中。。。2023/04/22(土) 04:04:40.580
フッと体が軽くなった。
影達が、体に圧し掛かる瓦礫をどけてくれたからだった。
高橋は立ち上がると声に問いかけた。
「彼等はダークネスではないの?」
声は「違う」と言った。続けて声はこうも言った。
「彼等は私の意識の欠片。彼等についていきなさい」と。
高橋は言われるがままについて行った。その間、体中が痛んだ。どこからか出血をしている。確認はしなかった。してしまうと足が止まってしまうと思った。
「ガイア、ついて行った先には何があるの? あなたの声はあっしにしか聞こえないの?」
「ええ、高橋愛。声は共鳴者にしか聞こえない。そして目的の場所にはあなたと同じ私の声を聞く者達が、あなたと同じように向かっている」
「あっしと同じ……共鳴者……」
わけがわからない高橋にはそう呟くしか出来なかった。
道中に沢山の人が倒れている。助けを求める声が聞こえる。
自分はそれを無視して、突然聞こえた怪しい声に従っている。
普段の自分ならありえないことだ。でも今はとにかく早く<ガイア>の声を聞いた者達に会わなければいけない。
そんな気がした。