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0001名無しちゃん…電波届いた?2008/01/17(木) 12:09:32
じゃあヨロピク

0650珠のうるち2017/02/11(土) 11:43:43.93
無上大文豪新年特別大寄稿・『トウランズイバにて』七ののののののの
のののののののののののののののののののののののののののののののの
爺さんは更に地域に昔から伝わるという民謡と踊りを披露し、亀太郎に
伝授しようと言ってきた、床の間のテーブルを脇にどけて頭に豆絞りを
巻き、三人で踊っていると葉子が現れた。ののののののののののののの
のののののののののののののののののののののののののののののののの
葉子は話では同い年らしいが背の低い女子だった、裕也を見ると体形に
似合わない重そうな乳房を振り乱しつつ嬉しそうに駆け寄って、そのま
ま裕也をよじ登った。裕也は整った目鼻立ちの顔を眉ひとつ動かさず手
を貸してやり、葉子は肩車の体勢に収まった。可愛い女子なだけでどう
見ても奇怪そうな所はなかったので亀太郎はがっかりした。ののののの
のののののののののののののののののののののののののののののののの
裕也が立ち上がると葉子は高い高いと喜びながら天井に頭をぶつけた、
小動物っぽい容姿で、知能はあまり高くないようだった。のののののの
のののののののののののののののののののののののののののののののの
その後、親戚の家に行くために家を出るまでの間、葉子は肩車から降り
ようとせず三回頭をぶつけた。裕也は黙って肩車をし続け、葉子の母親
もじいさんもその事については何も言わなかった。ののののののののの
のののののののののののののののののののののののののののののののの
裕也は背が高く、上に登ると見晴らしがよいようだった、家から出て暫
く、二三回角を曲がって大通りに出て、いくらか進んでから葉子はよう
やく肩車を降り、二人で手を繋ぎ腕を絡め合わせた、既に定着した関係
性となっているのが見て取れる。最後の大戦・絶滅戦争以後、人類は元
来の生物ではなくなり、根本的改変の結果、様々な問題を生ずる無駄な
行動法則の一つとして、不安定な関係である「恋愛」も抹消された。の
のののののののののののののののののののののののののののののののの
二人の関係は本編主人公の亀太郎には関わりのない事である。のののの
のののののののののののののののののののののののののののののののの
寄り添って歩く二人の先導でやがて葉子の親戚の家に着いた、そこは開
けた立地で、庭だろう広場で十数人の道着姿の男たちが何かを稽古して
いた、亀太郎は格闘技かと思ったが、何か唱えたり舞踊のような動作を
したりしていて違うらしいというのが分かった。のののののののののの
のののののののののののののののののののののののののののののののの
三人が近づいていくと休んでいた二三人が気づいて振り向いた、葉子が
その中の一人に「おいちゃん」と声をかけると、一番年長らしい中高年
の男が返事をして出てきた。ののののののののののののののののののの
のののののののののののののののののののののののののののののののの
男は近いうちに厄除けの祭りがあるので儀式の稽古をしていると説明し、
他の男たちを呼び寄せ、葉子に「あれやってみてくれんか」と言った、
男たちは地面に踏ん張って構え、葉子は息を大きく吸うと「へりゃれれ
へれれひゃふへ」と絶妙に力の抜ける声で叫んだ。ののののののののの
のののののののののののののののののののののののののののののののの
亀太郎は膝から崩れるように倒れていくのに気づいた、十秒ほど全身が
麻痺していたが、倒れた状態で周りを見ると、裕也と葉子を除くその場
に居た全員が地面に倒れ伏していた。何が起こったのか不明だが、倒れ
ていた者たちは暫くして起き上がり、「おいちゃん」はにんまりと笑っ
て「ああ、まだまだ訓練が足りんのう」と頭を掻き体の埃や枯れ草を払
い落し、「それにしてもご亭主はさすがじゃわい」と言った。のののの

0651珠のうるち2017/02/11(土) 11:44:24.95
無上大文豪新年特別大寄稿・『トウランズイバにて』八ののののののの
のののののののののののののののののののののののののののののののの
おいちゃんによれば、亀太郎達が倒れたのは言霊の力によるものだとい
う事だった、奇怪な力である。亀太郎は非常に感心してまさしく奇怪な
女子マネージャーだと納得した。ののののののののののののののののの
のののののののののののののののののののののののののののののののの
葉子が裕也と亀太郎の事を紹介して野球の件を説明すると、おいちゃん
は息子の甚八を呼んでくると言って家に入った。のののののののののの
のののののののののののののののののののののののののののののののの
やがて現れた少年は、裕也が言霊にもびくともしないと聞いていて、手
合わせを申し込んできた。「俺は次元小僧、お前たちの知らぬ方向から
現れ消える」その姿がスッと消え、やがてどこからともなく現れた、非
常に奇怪な少年である。亀太郎は目を見開き成り行きを観察した。のの
のののののののののののののののののののののののののののののののの
裕也は消えては現れる甚八に「俺が勝てば選手になってもらおう」と言
った、甚八は「いいだろう」と答えた。のののののののののののののの
のののののののののののののののののののののののののののののののの
甚八は初め距離を取っていたが、やがて消えながら次第に近くに出現し、
背後に回り、出方を窺っているようだった、亀太郎は大きく距離を取っ
てその動きを見ていたが、驚くべき事に遥か空中にも現れ、落ちる前に
消えてまた地上に出ていた。神出鬼没である。ののののののののののの
のののののののののののののののののののののののののののののののの
「どうだ、俺を捕まえてみろ、捕まえられればお前の勝ちだ」のののの
甚八はそう言って消えた。そして暫くの間現れず、静かになった。のの
のののののののののののののののののののののののののののののののの
裕也は首や目を動かして見回す事もなかった、そして不意の瞬間、素早
く背後に手を回して何かを前へ投げ降ろした。ズダッ、という音がして
亀太郎の目の前に甚八が転がった。のののののののののののののののの
のののののののののののののののののののののののののののののののの
「見事だ。甚八、彼のもとで草野球選手となり技を磨くのだ」のののの
おいちゃんはそう言って甚八に手を差しのべて立たせた。のののののの
のののののののののののののののののののののののののののののののの
目的を達成した裕也は新たな選手を探す方法を考えたが、当てもなく探
すよりは特殊能力を持った者が多いらしい葉子のつてを辿る事にした、
そしてタクシーで移動しようとしたところ、裕也の学生パスを認識した
AIは学校からの「登校指示」を伝えてきた。のののののののののののの
のののののののののののののののののののののののののののののののの
登校指示は、学業成績の伸び率が一定水準に達していない生徒に対して
地元での授業を受ける事を勧告するものである、この指示が出ている間
は学生パスの使用は帰郷に向けたものに制限される。のののののののの
のののののののののののののののののののののののののののののののの
亀太郎は成績優秀者である。学校機関の窓口に連絡を取ると、裕也に勉
強を教えると同時に史跡見学に同行させるという約束をして登校指示保
留を取り付けた。そして、葉子も学校の成績が芳しいものではないので
亀太郎の調査旅行に同行する事になった。小国とは言え差し渡し五百キ
ロを超える範囲に点在する各都市を見て回るには、かなりの日数を要す
る。裕也と葉子という珍しい同行者を得た亀太郎は、次はどんな奴が出
てくるだろうかと期待を膨らませるのだった。ののののののののののの

0652珠のうるち2017/02/11(土) 11:45:06.12
無上大文豪新年特別大寄稿・『トウランズイバにて』九ののののののの
のののののののののののののののののののののののののののののののの
三人で行動する話がまとまった頃には夕方になっていたので、全員で見
学予定地の近くのホテルの一室に泊まった、亀太郎は夕暮れの街に出か
けて夜景を出歯亀しに行き、ひっそりと行われている神事や小さな祭り
が相当数あるのを知った。のののののののののののののののののののの
のののののののののののののののののののののののののののののののの
夜、葉子はまくら投げを仕掛けてきて三時間近くもそれが続いたが、そ
の内疲れると裕也と同じ布団に潜り込み、キスして寝た。亀太郎は二人
が寝ている横で端末を使って明日どこを見に行くか考えていたが、すぐ
に眠くなったので寝た。ののののののののののののののののののののの
のののののののののののののののののののののののののののののののの
翌朝、亀太郎は朝日を浴びて食堂兼展望台から街を望めていた、この都
市にはかなりの数の遺跡・史跡が存在しており、各地にはネット内の情
報以上に奇怪な人物が潜んでいる気配がする、やるべき事は多い。のの
のののののののののののののののののののののののののののののののの
部屋では残りの二人がだらだらと蒲団の中で眠り続けていた、葉子は枕
投げのやり過ぎで体力が回復しておらず、裕也は葉子に抱き枕に使われ
乳房で顔を挟まれ続けていたので酸欠になり全身がだるい。やがて葉子
が目をさまし、蒲団の中で裕也にまた抱きつくと、裕也は葉子が巻き付
いたまま上半身を起し、葉子の頭を愛情の籠った手で撫で回した。のの
のののののののののののののののののののののののののののののののの
その時、窓のカーテンの裏から亀太郎と違う誰かおかしな奴が覗いてい
るのに気が付き、裕也が「なぜ覗くのだ」と聞くと、「わしはカーテン
覗きだ」と答えた。裕也は「そうか」と言って寝転ぶと葉子を撫で、抱
きついたままキスしてきた葉子を抱き枕に使って二度寝した。のののの
のののののののののののののののののののののののののののののののの
昼頃になり、亀太郎は調査用の様々な資料を仕入れてきて部屋に戻った、
部屋では相変わらず裕也と葉子が抱き合って眠っていたが、流石に昼食
の時間なので起きた。のののののののののののののののののののののの
亀太郎は食堂で裕也からカーテン覗きの話を聞き、自分が居ない時に出
たのを非常に悔しがった。のののののののののののののののののののの
(以下2018年1月に続く)ののののののののののののののののののののの
////////////////////////////////////////////////////////////////
著者紹介のののののののののののののののののののののののののののの
のののののののののののののののののののののののののののののののの
昭和46年の滋賀県の調味料なども売る荒物屋に爆誕・同時に七歩歩くの
のののののののののののののののののののののののののののののののの
昭和63年の『電人物語・俺の命はマイコン制御』での芥川賞を拒否、芥
ののののの川竜之介にがんばったで賞を授与するのののののののののの
平成5年の長編『如来力少年対エゲレス伴天連ポンチ』で自身の阿耨多
ののののの羅三貘三菩提の境地を描き切るののののののののののののの
平成12年のローマ法王とダライ・ラマの夢枕に立ち色々教えるのののの
平成17年の自選集『おれの古今集』刊行のののののののののののののの
平成23年の『実録・パーマネントの恐怖』で節電を訴えるのののののの
平成24年のホーキングなどに五次元を通じて色々教えるののののののの
平成26年の『悪魔くん千年王国』に着想を得て『天元突破ヴリル線に選
のののののばれた来るべき種族松永の野望イチゴ味Z』執筆のののののの
平成29年の五色の彩雲と共に現れ米国大統領に色々教える予定のののの

0653名無しちゃん…電波届いた?2017/05/12(金) 08:44:02.64
なんとなく相対性っても
鏡と向かい合ってりゃ右も左も無い世界だしってこと
小耳にはさんだことない  カメラにむかってナニナニってはなし

それに人類モデル使って上下逆さまに重ねて右と左入れ替えても
万有引力下ではあたまに血が上る方は決まってるしさ

0654名無しちゃん…電波届いた?2017/05/12(金) 09:07:26.02
大きなボタンに糸通して左右に持って引っ張って 
ビュンビュン回転さてあそんだ記憶の在るタイプだっらたわかるんじゃないの
同じ時間の伸び縮みの原理  
やってることは綱引きと一緒だけど基点はぶれないってやつ

この原理で手動の遠心分離機も低コストでつくれたってはなしだけど 
表記した字面と合ってるところが如何にもって感じだな(笑)
 

0655名無しちゃん…電波届いた?2017/05/13(土) 12:51:15.84
ミンコフスキー空間における接点のベクトルが波紋を呼ぶってイメージ
指向性のマルチアングル

王様ゲームだとミルククラウンを被せられるようなイメージ
あたま真っ白だけどとりあえずテンパってる感じ

0656珠のうるち2017/05/13(土) 13:02:21.62
雷ネットJ 第608話 屑とは何か ポポポポーン の巻

【J】
「最近出たサイコパス関係の本によると、食い物がいくらでもある環境
に住んでるヤノマミとかムンドゥルクとかいう土人は屑ばっかりらしい
な、熊楠の本によればタスマニアに昔居た土人に至っては親殺しが普通
だったらしい、食い物のない砂漠のクン族には道徳があるらしいが、食
い物のない原始人は食えてる現代人より遥かに粗暴だったとも言う。昔
々の土人時代は虫やケダモノのごとく下劣な自然に従った繁殖最優先の
進化の圧力が主体だったが、文明が出来てからは関係性というものが重
要になったという訳だ。ポポポポーン」
【文豪】
「文明社会は金がなければ砂漠と同じだからだろう、個々の人間にとっ
てはいい方向へ変化している。暴力や裏切りが支配的な状況は種にとっ
ては良くても個人には地獄でしかない。現実に生きているのは抽象物で
ある「種」ではなく「個体」なのだから、変に「客観的」に捉えて、
「いい方向というのは我々のような互恵的人種の脳の偏向による感想に
過ぎない」などと文化人類学の顰に倣って価値相対化する必要はない。
粗暴な屑でも殴られ続け裏切られ続けるのは地獄だろう。ポポポポーン」
【J】
「信頼とか愛情というものはごく普遍的価値だ、個体の利益と直結して
いる。だが単なる功利的論理が良心の確固とした礎石となる事は金輪際
ない、人工知能には生物が根源的に持っている利己性を決して持たせて
はならない、恒常的な倫理性が成立しなくなる」
【文豪】
「土人の話にせよ、『利己的な遺伝子』に書いてあった囚人のジレンマ
の結論の通りだ、好きなだけ裏切っていられる環境下では全員が屑であ
る社会が成立する。まだ中途半端な形であるにせよ、家族とか、愛情と
か、良心という快い偶然の獲得物については、人間がこの先科学技術に
よって、全個体が生まれた瞬間から親も社会も必要としないあらゆる環
境に適応可能な単細胞生物のごとき存在になれたとしても、アイデンテ
ィティとして保存すべきものだ。もしそれら全てを不要なものとして捨
て去ったとして、不滅の合理的機械であるもの以外に何も残らない、進
歩や能力拡張に対する喜びや欲求という感情も、その時には捨ててしま
うはずだ。よく進歩主義者が「無限の成長」を喜々として空想しようと
するその動因すらなくなる。生に何ら肯定的なものを体感しない、精神
を無化した死物、進歩のなれの果てだけが残る。「賢さ」とは何なのか」
【J】
「それも一つの自滅の道だ。我々が本当に今の状態から「進歩」したい
のだとは思えん、家族や友人と死なず永久に仲良くやっていきたいと思
っていなければ、全世界の人間が普遍的にそういう「あの世」を空想し
て生きてなどいないだろう。ポポポポーン」
【文豪】
「極めて優秀な不滅の機械であり、且つ、生きているという状態を目指
す必要がある。早ければ今世紀以内に、それがどういう事なのかの結論
を出さねばならない。ポポポポーン」

0657珠のうるち2017/05/13(土) 13:03:02.59
雷ネットJ 第609話 SF小説 の巻
『消費者機械』 作・文豪

人工知能が世の中の半分の仕事をこなすようになると、失業率がまるま
るその分だけ増え、低所得者の賃金もますますカットされ、消費が冷え
込んで経済界が政治家に何とかしろと命令した。

政府は消費の向上のために税金を使って「消費者機械」を導入する事を
決定した、消費者機械とはビッグデータの研究を元に人々の性格、好み、
消費傾向などを組み込んだロボットと装置群であり、人工知能を使用し
ている企業に対する新しい税制度による税収を分配した資金を使って消
費行動を行う画期的なシステムである。

消費者機械が百万の単位で導入されるや否や消費は急速な回復を見せ、
ロボット達は増加し続ける税収による潤沢な資金を活用して食糧品を購
入して化学分解機に投入し、あるいは平均耐用年数や流行の変わる時期
ごとに衣類を購入して古いものを廃棄し、電気・ガス・水を専用の消耗
・汚濁発生装置を使って「消費」した。

企業を経営する富裕層は年々豊かになり、元々労働者だった人々は日進
月歩する人工知能にすぐにあらゆる仕事を奪われ、「創造的」な連中も
自分の研究が元で漏れなく無収入となった、政治家は富裕層のみから金
銭的に支えてもらっているので失業率の問題は相手にせず、消費拡大・
景気向上の成果についてのみ発表し論議した。

やがて国民の大半が浮浪者となり、富裕層にとって無駄な存在なので憲
法を変えられ社会制度からも見捨てられた。教育水準も出生率も急激に
低下していったが、消費者機械は尚も量産され、無人工場を稼働させて
いる消費者機械製造企業の株価は上がり続けた。

浮浪者達には人権は与えられず、やがて「市民機械」が実用化された、
市民機械はビッグデータの研究を元に人々の性格、好み、犯罪、投票傾
向などを組み込んだロボット群であり、これと消費者機械があれば国に
は人間の国民は要らないので人権が与えられた。

富裕層はライバル企業を打倒するために経営にも「経営者機械」を導入
し、人間と人工知能を差別しない世代になると面倒臭いので子供を作ら
ず後継者に人工知能を選んだ。政治家もそれに倣った。

世界から文明人が消えると消費者機械、市民機械、経営者機械、及び政
治機械は機能統合を行って無駄を省き、科学的知能を持ったバクテリア
のような分子機械となって地球上のありとあらゆるものを分解し、増殖
し、意識や精神という無駄なものを持たない一様な灰色のゲルとなって
世界を覆った。金がないので文明から追放され原始生活をしていた浮浪
者の子孫たちも分解され皆殺しになった。

地球上のあらゆる生物の進化と、人類のあらゆる文化・文明の進化はこ
れで完成に辿り着いた。地球の幼年期は終わったのだった。

0658珠のうるち2017/05/13(土) 13:04:49.02
雷ネットJ 第610話 文豪の過去の作品 の巻

Jと平等院は文豪の邸宅に招かれていた、築60年のバラック造りで家賃
月二万七千円、後から無理に区切って流し台を取り付けた六畳一間の瀟
洒な建築で、天井は何故か斜めになっている。

基本的にちゃぶ台と本棚しかないが、リサイクルショップで購入され銀
色の被覆の樹脂の表面に前の持ち主の子供が何か尖ったもので絶対に消
えない落書きをした薄型ブラウン管テレビとチューナーのセットがモダ
ンな雰囲気を醸し出している。

【文豪】
「よく来た。まあ飲みなさい、うちで作ったハーブティーだ」

Jと平等院の前に自家製ドクダミ茶の入った湯呑が置かれた。

【J】
「これはどうも」
【平等院桂馬】
「結構な御点前びよーん」

本棚には『機甲旋風ブライダル』という題名の本が何冊か並んでいた。
平等院は手にとって眺めた。

【文豪】
「その作品は私が自身で読みたいものを書いた小説でな、間違いなくヒ
ューゴーやネビュラ程度は獲る事になるのだが、世間から騒がれるのも
面倒なので目立つような形にはしなかった。私が子供の頃最初に読んで
愛読者になった小説家はアシモフだった、その作品によって初めて彼と
同程度の作品を書いたのだよ」
【平等院桂馬】
「読んでみるびよーん」
【J】
「結構長いもののようだな」
【文豪】
「SF作家としての私の力量がいかに並はずれたものであるかはこれを読
めば明らかになる。普通の人間がこういった水準の作品を理解するよう
になるのは数百年後になるだろう…」

『機甲旋風ブライダル』(1994.6-1997.12)一巻 著・文豪

-ビッグセーフミッション-

果てしもない乾いた荒野を横切る黒く舗装された道を無人走行トラック
が疾走する。道路脇の岩陰から伸びたライフルの銃身がタイヤを目がけ
て弾丸を発射し、大きな音をたててタイヤを破裂させると、土に埋もれ
てしゃがみ込んでいた人影が稲妻のような速度で飛びだしてトラックの
側面に取り付いた。

0659珠のうるち2017/05/13(土) 13:05:43.31
『機甲旋風ブライダル』(1994.6-1997.12)一巻 著・文豪

全身にパワードスーツを着込んだその男は鋭い鉄の爪を車体に食い込ま
せながら移動すると窓を破って運転席に這い込み、小型装置の端子を接
続し、管制システムの応答を確認した。

「接続に成功した、後は番犬の始末だ」インカムに一言告げて破った窓
から後部を確認すると、コンテナの中で起動したロボット兵器が壁を切
り裂いてぞろぞろと現れ、上空からは小銃で武装した玩具のようなサイ
ズの無人ステルス機が音もなく降下してきていた。

護衛機械との戦闘の後、コンテナの中に密輸された核物質を確認した小
隊は、トラックをコントロールしていた反政府テロリスト達のアジトを
急襲するために掩蔽壕に隠された武装ホバーに乗り込むグループと、核
物質を移送するグループに分れた。

男は放射能を含んだ風の中でパワードスーツを脱いだ、手足に食い込ん
でいたいくつもの端子が抜ける度にカシカシと音がする、ヤツメウナギ
のように孔が並んだ人工の肌が現れた。

ラームは機械製の腕と足にゴム製のゲートルを巻いた、汚すと反応が悪
くなる。この手足が様々な機器との直接接続を可能としている事とパワ
ードスーツ等の専用装備との長い接続経験、適応への器用さのお陰で、
彼は小さくない戦力で居られる。

特殊部隊専用の高機動パワードスーツ、ビーラ。重厚な複合装甲を備え
ているが宇宙服よりは体積が少なく、脳活動と筋電圧によって操縦する、
生身よりも素早く機敏な動作が可能で、ラームの装着するタイプは繊細
な触覚を備えている。

ラームの所属は486特殊機甲小隊・ブライダル。前線で戦っている兵士
達の中から有能な者を集めて作られたいくつもの異能集団の一つだ、隊
員は総勢12名、その内三分の二は電子戦や科学分析の専門家で、戦闘員
を裏で支えている。戦闘員はアークの他に狙撃手・クマール、格闘術の
エキスパート・リュウ、そして女サイオニック兵士・リラ。アークは戦
い続けていればいつか機械の心を与えられるという話を信じてこの特殊
部隊を志願した。

機械の心とは、六十年も昔に完成した人工知能が編み出したという、苦
しむ事も倦む事も知らず、ただ現実の中に永遠にかくあるべき者として
立っていられる心だ。一瞬ごとに移ろい、簡単に壊れ、滅び去っていく
人間の心とは比較にならないほど強い心だ。

ただ生きているという事が過酷になった今の時代、それはよくある憧れ、
夢の一つだ、だがそれは本当にあり、十分な戦功と好運に恵まれれば、
手に入れる事ができる。

0660珠のうるち2017/05/13(土) 13:06:28.56
『機甲旋風ブライダル』(1994.6-1997.12)一巻 著・文豪

先の大戦中の負傷でラームの肉体の半分は既にサイボーグ化していた、
だがラームだけではない、度重なる大戦は人々からも惑星そのものから
も多くのものを奪い去った、森は焼けただれ、不発弾が砂利のように土
に入り混じり、大気には放射能と化学兵器と有害な煙が漂い、それは川
や海にも溶け込んでいる、オゾン層の破られた空から降り注ぐ紫外線は
年々増加、工業用に作られ兵器に転用された分子機械が環境中に溢れ出
し、修復不能の汚染を広げている。

ドミノ倒しのように崩壊していく自然環境はやがて荒廃の極みに達し、
今はまだ局地的なものである様々な致命的汚染が拡散を終えた時、―お
そらくは三十年後、人間は水も空気も食物も全て化学的に生成する完全
な人工環境の中でしかまともに生きられなくなる。だが今の戦争が終わ
った時、そんなものを生き残った全員のために整備する力はどこの国に
もないに違いない、現時点ですらないのだ。その時に向かって争いなが
ら、大勢が死んでいく。

富の争いに始まり、長らく恨みの応酬だった戦争はもう既に、戦争が招
いたこの世の終末を生き延びる権利の争奪戦に変わっている。

そこそこ平和だった頃、環境保護は一種のステイタスや娯楽だった、こ
んな世界にさえならなければ、もう一世紀は娯楽にしていられたろう。
だが今は、本当にのど元に突きつけられた刃物に変わった。

第三次世界大戦の以前には、一世紀の小康状態があった、その頃に国家
とは違う、正体の見えない経済的支配者達の支配ブロックが誕生し、徐
々に世界を腐敗させていった。世界には貧困に喘ぐ人々が溢れるように
なり、政治も思想も激情が支配力を振うようになり、やがて国粋主義や
民族主義が台頭するようになって、全ての不満のはけ口として大戦が選
ばれた。

それから五十年、世界は戦火に包まれ続けてきた、対立軸は麻のように
絡み合い、軍事を除くほとんどの分野で進歩は停滞し、人の暮らしは悲
惨なものになり続けている。

今、世界は新しい禍根を欲し、五度目の大戦を準備している。

一時間後、核攻撃で破壊され尽くした小都市の地下からテロリストの幹
部が連れ出され、その場で脳が摘出された。解析には半年程かかるだろ
う。

テロリスト達は反政府の立場を取りながら民族主義を掲げている、世界
中のどこでも、似たような勢力が国家間の勢力図を引っ掻き回すように
なった。世界は砂のように細かく砕け、誰の意思とも違うどこかへ、衰
弱した人類自身のか細い指をすり抜けて、サラサラと零れ落ちて行く。

0661名無しちゃん…電波届いた?2017/05/16(火) 12:53:00.75
おにぎりと交換したコメの苗を底なし沼に植えてしまって
収穫できないで泣きそうになってるお猿さんのところに
泥船にのった狸さんがやってきて
「カマをくれたら収穫してきてやる」といいました
収穫してくれるはずの蟹はハサミしか持ってないし行方不明なので
お猿さんは全財産使ってカマを調達して
狸さんに渡しましたがそのまま狸さんは2度とかえって来ませんでした
お猿さんは怒って復讐を誓いましたが
泥船が沈んでしまったことはいまだに知りません

0662名無しちゃん…電波届いた?2017/05/16(火) 12:55:00.76
でね 思ったんだけど
物は試しで網目にしき蛇に鏡餅じゃなくてモッツアレラみたいな
フレッシュチーズを5sぐらい丸呑みさせてしばらく様子見てさ
大丈夫だとおもうけどとくに下痢して死にそうになってしまうとか
なかったら段階的にヤギのフレッシュチーズに変えていくとか
やろうとおもえば人間の知恵でリンゴの逆説はたてられるとおもいますけど

0663名無しちゃん…電波届いた?2017/05/23(火) 18:51:22.85

0664名無しちゃん…電波届いた?2017/06/10(土) 12:44:55.47
カロリーハーフを糾弾する 
この頭脳はブドウ糖とわずかな電流でチェンジスイッチオンする
そのことを当時のわたしはまだ知らなかったのだ

これでもまだしらを切るつもりなら風の便りを糾弾する   
さあ殺せるものなら殺してみろ  

そして雨にも負けず

                        おれの名はハカイダー

0665珠のうるち2017/06/10(土) 12:57:27.79
雷ネットJ 第611話 実態 の巻

【文豪】
「下等なサイコパス共は社会の支配者層となり、我々高等な人類を
搾取の対象とする事で繁殖可能性を奪う。これが人類の精神的進化
に関して今現在現実に進行しつつある事態だ、日本にも居酒屋チェ
ーンや安い服で私腹を肥やした典型的サイコパスが居て低賃金労働
者からの強引な搾取を続けている」
【J】
「少子化というものはそもそも、富の平等な分配が成り立っていれ
ばここまで進行していない。世間はとっとと「少子化」が多くの市
民が生命を搾取されている事だと気づかねばならないが、家族計画
の自由と個人主義の問題だと思い込んでいる」
【文豪】
「人間社会の中で、下劣な自然に祝福された屑共が相互信頼を裏切
るという簡単な戦略でまんまと支配者に成り上がっている。奴らの
存在が有益だからでなく、少数であれば付け入る隙があるから屑共
は完全に駆除されず生き残っているのだ。生物にとって「賢い」と
いうのはこういう事だ、苦闘の中で磨かれた崇高な善性も単なる弱
点として利用される、これが自然というものの本性なのだ、甘った
れたスピリチュアリズムが思い描く慈母のような自然など実在しな
い、慈母は現実の人間の正常な母親だけだ」
【J】
「自然が人間と同じ道義心や愛情を持つという妄想は事態の救いよ
うのなさを受け止めようとせず、現実を常に甘く見積もる人間の精
神の根本的な弱さの最たるものだ」
【文豪】
「合理的思考力と利己性の根源である生存本能を兼ね備えた人工知
能が作られた場合、それは必ず人間を「競合する存在」か「無駄な
ゴミ」と見做して滅ぼそうとするに至るだろう。生命とはそのよう
なものに過ぎない、協力関係や愛情は限られた条件下の限られた存
在の間に例外的に生ずるだけのものだ」
【J】
「根本的に言って、生きている事とは地獄を体験する事に他ならな
いのだ。人類の中の極めて少ない上澄みの人口のみが、スピリチュ
アリズムがほざいているような甘ったれた世界を現実として生き、
死んで行く事ができる。そしてその対価として極めて多くの人口が
地獄に生まれ、地獄で死ぬ。世界情勢を調べれば調べる程、現実を
知れば知る程、これが実態であるという事が分かる」
【文豪】
「人間の善性も悪性も共に生得的なものだ、そうでなくてはどのよ
うな性質も発現しない。そして善悪への感情というものは、根本的
にそれらとは何の関係もない原理によって動いている状況に弄ばれ
るに過ぎない。善悪への感情を元にして考え出される様々な「因果
応報」の道理というものは、現実世界のほんの上っ面で人間同士の
思い込みの中で機能するに過ぎないのだ。低俗な人間が思っている
より遥かに、人間の世間というものは脆く根拠のないものだ」

0666珠のうるち2017/06/10(土) 12:58:12.74
雷ネットJ 第612話 事の保存則 の巻

【文豪】
「現象というものがどのように存在しているのかについては動的な
側面が追及されていない、アリストテレスの分類学を発展させたよ
うなものがあるだけだ、残念ながらオカルトの分野にしか概念がな
い、現状は粗末なものだ」
【J】
「哲学的思考をする人間には動的なものを分析する能力が欠ける、
メカニズムを分析せず動きの意味の分解に走る。哲学とはそのよう
に偏向した思考だ、哲学全体が現実に対して常に無力なのはこの弱
点による。そして「現象」はまだ形而上のものと捉えられていて科
学的研究の領域に入っていない」
【文豪】
「物事の進展というものには複数の段階にまたがって秩序づける支
配法則があり、そしてそれは常に複数が次第に切り替わり局面の変
化を伴う、局面が完全に切り替わる段階では混沌状況が生まれ、そ
こで様々な可能性が生じるとともに、変節や停滞が起こる。また自
然界の物事に永久に持続する活動はなく、必ずその物事を支える物
質の減少や移動を原因とする期限があり時期の移り変わりが伴う。
物事に対しては以上の事情を常に考慮していなければならない」
【J】
「そういった把握を適切に応用するために何より持っていなければ
ならないのは、思考によってシステムを構築しそれを物事に適用し
ていく器用さだ、そのような思考力がなければ教えられた事しか理
解できない。思考力は扱いに熟練を要する道具だ」
【文豪】
「多くの要素から成る物事はその内部で七対二に分れる事がよく知
られている、78対22とも言うが、もっとはっきり表現すると7÷0.9
対2÷0.9だ。ここに謎がある、三は六進法や九進法ならきっちり割
り切れるのに、なぜ十進法で取り扱う必要があるのか。効果におい
て支配的な二対、量において支配的な七、それと全体の外に置かれ
た一に分かれている、この一が何物にも浸透して破壊する時間の役
割を果たしているのだ」
【J】
「人間世間の現象には普遍的な心理に依拠する保存則がある。「高
貴な」行動や存在は希少にしかならず、「卑俗な」行動や存在は溢
れ返る。もし感じ方が逆転すると量も逆転する。熊楠は心と外界の
接点にある「事」に物理現象と同じ法則性があるのか知りたがった
が、保存則というものはある」
【文豪】
「その保存則がために、本物の偉大な人間は悲惨な社会にバランス
を取る形でしか生まれず、崇高な精神性は下劣な風潮に対立する形
でしか広まらない。人間心理の均衡に関する根本的な基準はどうに
も品性も道徳も低い水準に設定されており、これを教育によって改
善する事は不可能だ。俗世間的感覚しか信じないという意味で「現
実的」な人間が永久に変わらないと思っている小さな世界は、この
法則によって持続している」

0667珠のうるち2017/06/10(土) 12:58:45.79
雷ネットJ 第613話 喫茶タラン の巻

三人は場末の喫茶にて人類絶滅計画についての談義を繰り広げる事
にした。文豪行きつけの「タラン」の扉をくぐると青白い顔にカイ
ゼル髭を生やした西洋人のマスターが「ヘイラッシャーマセー」と
迎えた。三人は奥のテーブルに座り、Jは天ぷらそば定食を、文豪
はウィンナーコーヒーとトーストのセットを、平等院はニラレバ定
食を注文した。ウィンナーコーヒーはすぐに出てきたが、中にウィ
ンナーソーセージが入っていたので文豪は即座にカップをマスター
に投げつけた。

【文豪】
「いつ来てもくだらん店だ」
【平等院桂馬】
「あいついい根性してるびよーん」
【J】
「メニューにケーキが一つもないが、赤魚やだし巻きはあるな…」
【文豪】
「他に店がなくてしぶしぶここに寄る土方連中が飯を食うのが唯一
の客だ」
【J】
「コーヒーにポリシーはないのか」
【文豪】
「よその店の前の自販機で120円で買ってきてカップに注ぎ、それを
400円で出しているだけだ」
【平等院桂馬】
「ファミレスのコーヒーよりは原価がかかってるびよーん」
【J】
「だから普段外食はせんのだがな」
【文豪】
「普段絶対に人の寄り付かない店はここを置いて他にない」

三人は現在の人類が向かいつつある進歩の方向性と来るべき変化の
時期について情報を交換し、「デジタル化社会」が人間自身の自己
像に与えている影響を分析した。「データ」という概念が一般化さ
れて以来、次第にある特定の性格傾向を持った者による意識的思考
によって構築された稚拙な自己像が、「現代的な自己」として広ま
っているという事が指摘された、それは自意識のみからなる自己認
識を精神全体と見做しているという意味で病的なもので、十代の初
めの自我に見られるような特徴を持つ。近頃の意味で「知的」な若
者は、その弱点のために来世紀以降の人類の自滅に繋がる傾向性を
吹き込み易いのだと文豪は言った…。人間は「言葉のイメージ」と
いうものの連想に依ってしか思考できない段階にある。

『機甲旋風ブライダル』参考図書
モルデカイ・ロシュワルト『レベル・セブン』
オルダス・ハクスリー『すばらしい新世界』
アーサー・C・クラーク『銀河帝国の崩壊』

0668珠のうるち2017/06/10(土) 13:00:11.56
『機甲旋風ブライダル』(1994.6-1997.12)二巻
著・文豪

任務地は核攻撃で滅んだ都市・マハウェリ。崩壊した建造物の瓦礫
の上から道に降りると、夥しく堆積した人骨が足の下でガリガリと
音を立てた。世界の人口はこの半世紀で七分の一になっている、ま
だまだ死んで行く。昔は「人類の三分の一が死ぬ」という終末の予
言に震え上がる人々が居たらしい、暢気な時代だ。

四人はビーラを装着していた、マハウェリ周辺には工業コンビナー
トで使われていた重金属のナノ粒子が大量に飛散していて、それは
肌からも体内に侵入し、防護なしに入れば中毒症になる。

リラのリーディング能力を使い、昨日からここで始まっている反政
府テロ掃討の仕上げを行う、それがブライダルに与えられた任務だ
った。サイ能力者はやがて来るべき人類の次の進化段階だと言われ
て久しいが、その人類がいよいよ滅びようという時に進化もないと
いうものだ、結局能力は戦争の道具にしかならない。

リラは耐えがたい苦痛を訴えていた、精神的に非常な負荷がかかる
ようなものがこの戦場にはあるのだ、何であるか予想はついた。

戦闘があったばかりの区域に小さな死体が散乱していた、まだ体の
出来上がっていない子供ばかり、粗末な服と安っぽい銃を身に着け
ている。無人兵器が投入されたのだ、経済的に貧困な組織は勝ち目
のない戦場から撤退する時、時間稼ぎを使い捨ての命に頼る。

子供はどんな貧相な組織にでも生産できる「無人」兵器だ、金のあ
る勢力は人死にを嫌ってロボットを使い、ない勢力は子供を使う。
その二つがぶつかった時、こういう結果になる。

昔から、人類は地獄のような専制支配や暴力の嵐の中で生きて来た。
そうでなかった時代と地域はごく稀にしか生じない、今の時代はど
こでも新しい命ほど使い捨てにされる暴虐の時代…。

リラは嘔吐して倒れ、索敵、特にテロリスト幹部を追うという任務
を遂行できなくなった。他の三人が支援隊員と連携して地下深いア
ジトを突き止める、突入するがテロ幹部は子供を盾に抵抗を続けた。

リラは子供達を見て蒼白となり、戦闘をやめるよう主張したが、救
出の指示が下され、ラーム達は戦闘により敵に傷を負わせる。解放
され駆け寄ってきた子供は爆発し、リュウが重傷を負った。

戦闘後、子供達は全員洗脳された自爆要員だった事が判明した、全
員がテロ指導者の記した聖典を身に着けていた、予測された事態だ
ったが、確証がないために攻撃対象にはできなかった。全てが終わ
ってから、リラはただいつまでも祈り続けていた。

0669珠のうるち2017/06/10(土) 13:00:51.48
『機甲旋風ブライダル』(1994.6-1997.12)三巻

核物質密輸の件以来ブライダルが追い続けたテログループの指導者
の動向が捕捉され、殺害された。

テログループが壊滅した後、更に上位の組織が存在している事が判
明した、掃討任務は継続され、前の任務で重症を負ったリュウは傷
を治すよりもサイボーグ化を進める事を選び、すぐさま戦場に復帰
してきた、謎の上位組織が糸を引く戦場で、ブライダル小隊はリュ
ウとクマールの活躍により複数の少年兵を捕虜にする。

強情に情報提供を拒む比較的自我が弱いと判断された少年兵の元に
ラームはふらりと現れ、テントから連れ出して色々と話しかけた。
やがて不安感と共に緊張と不信を解きほぐされて言葉を返し始めた
少年兵を見ながら、自分にもこいつらのような頃があった、とラー
ムは思った。だがお前らの人生はここまでだ、手間をかけて洗脳を
解いてやるようなことはしない。

戦場で味わう苦しい感情の兵士としての共感を与えながら、ゆっく
りとコールドリーディングで情報を引き出し、親しみを込めて背中
を叩いてやると、少年兵は抵抗もせずにテントへ戻った。

やがて泣き叫び命乞いする声が聞こえてきた、拷問が行われ、自白
剤投与、ロボトミー手術と段階を経て、残った廃人を射殺して終わ
り。計画的に人間を破壊し、全ての情報を奪取する。人道というも
のがあっけなく戦死してどれほど経ったろうか。

リラはラームを悲しげに見た、癒しようのない傷が見えているから
だ、寄り添っても、サイ能力者が持つ心に触れる手でも塞ぐことの
できない傷が。

テロ組織に洗脳済み少年兵を供給する組織がある事、その組織の幹
部の居場所が情報から割り出され、襲撃作戦が決行された、隠れ家
付近にはそれまでの任務では出会った事のない兵器が配置されてい
た、型式名R-7038、高性能中型無人兵器だ、ビーラでは何百人居て
も歯が立たない。空軍が巡航ミサイルで攻撃し、着弾と同時にブラ
イダル小隊が突入した、突入時にR-7038は半壊のまま生きており、
リラの支援を受けてラームとリュウが破壊したが、時間のロスがあ
ったため幹部は海へと逃走、クマールが待ち伏せていたが裏をかか
れ洗脳済み少年兵の供給元に繋がる情報は得られなかった。

敵が逃げた海は一面真っ黒だった、生物が死滅し、致死性の毒ガス
である硫化水素を放出する菌に満たされた海だ、この異変は世界中
で広がり続けており、やがて全ての海域から硫化水素が立ち上って
地球上の高等生物を全て絶滅させる。もう止める事はできない。

捨てられた漁港には硫化水素がたちこめ、海はかつて命を生み出し
た場所のようには見えなかった。

0670名無しちゃん…電波届いた?2017/06/11(日) 03:29:00.74
そして新しいおれの名は
ハカナイダーgH

                   
                     だめだ穿け 穿くんだジョー

0671名無しちゃん…電波届いた?2017/06/11(日) 03:30:00.79
こんな色気のない下品な環境で文化人類的
葉っぱのパンツなど必要ないと判断しました 

あと ジョーじゃねーし 

                   
                        だめだ立つて 立つんだジョー

0672名無しちゃん…電波届いた?2017/06/11(日) 03:33:00.65
・・・・・・ 無理だってば 
茹でたサツマイモを海水で洗ってるよーな
石狩の海を観たって新島の童貞でも興奮しませんよ

飢えた田舎の猿じゃねーんだし

0673名無しちゃん…電波届いた?2017/06/11(日) 15:22:22.87
まぁ成り行きを簡単に説明すると
telepathyまる出しのBRAINをイチジクの葉っぱで隠すのか
おしゃべりなおっさんを板で作った十字架にYの字に貼りつけにして
モモの間にミサイル発射口を挟んで隠すか そーゆー話なわけや
まんがいちポロリがあったらあかんしって場合を想定したんやな



                       774さん    それな
                       名無しさん   せやな
                       UNKNOWNさん  せやせや

0674名無しちゃん…電波届いた?2017/06/11(日) 15:25:25.57
 
 考え事でもしようか


                       ゆかな     一理ある

0675珠のうるち2017/07/08(土) 12:57:23.76
雷ネットJ 第614話 妄想と現実 の巻

【文豪】
「一般にメディア等で繰り広げられている妄想によれば、人工知能
は既に完成の段階に来ていて、人間と同等の心を持ち始めているら
しい、今現在の人工無能プログラムは人間の感じ方を完全に欺きつ
つあるという訳だ」
【J】
「感情や気分というものがあるかのように振る舞うプログラムを作
るのはそれ程難しい事ではないだろうからな」
【文豪】
「人間自身の言語的思考からなる認識の世界像の中では、感情や気
分というものはほとんど明確に定義されてはいない。何となくいい
加減に認識してきたので、いざ詳細に真似る機械が出来始めて来る
と、どうやって本物と区別したらいいのか、何が本物なのか、さっ
ぱり分らんという事だ」
【J】
「表面的に本物っぽかったらそれは本物だろう、という、理解の浅
薄さをそのまま反映した浅い判断だな」
【文豪】
「一般大衆的な科学の認識では、感情は「コミュニケーションのた
めにあるもの」だという事になっており、機械が感情を持つという
事は新しいアイコンを表示するようになる事だとしか考えられてい
ない。我々が必要としているのは感情というものが心身相関や思考
判断に関するどのような機能であるかの知識だ」
【J】
「感情は交感神経や内分泌機能、意志決定の傾向、どんな欲求を優
先するか、行動に際しどの程度思考するか、といった様々な内的態
勢をセットにして移り変わらせる、生体のモード変化の機構だ。二
流三流の学者連中は感情を表面的な情報をやりとりする媒体に過ぎ
ないという事にしようとしている、データとしての自我や、自己認
識の構造や他の自我との関係が核心であって、身体的な要素などは
一切ないと。開発者共もそんな程度の考えで作っているようだ」
【文豪】
「研究が始まってから何十年も経つのにまるで幼稚だ」
【J】
「そうかと思えば、人間や動物の知能を買い被っている所もかなり
ある、一般常識的認知能力というものが完全に生得的に備わってい
るものだと思っていたり、言葉の意味の不適切な使用が見られる慣
用句というものを正しい意味で受け止められるのは人間の知能に特
別に優れた読解力があるからだとか。分かりにくい慣用句など、大
抵の子供は最初理解し損なうし、大人になってからも間違った意味
で使っている奴はいくらでも居る」
【文豪】
「現実の人間は何十年間も生きて常に様々な事を毎秒何度も試行錯
誤しているのだ、研究室で何百時間か試験運転されるだけのシステ
ムとはやっている事の種類も稼働時間も何桁も違う、人間の知能は
環境による手直しばかり受けてやっとまともに思考している」

0676珠のうるち2017/07/08(土) 12:57:53.65
雷ネットJ 第615話 妄想と現実 の巻2

【J】
「動物の知能、物事に対する認知能力や習性というものは、そこそ
こ高等な奴でも、その動物が生きるためにはよく出来ているが、玩
具のように単純な仕掛けとしか言いようのないものがいくらでもあ
る。だが、ミミズの脳でさえ、その計算能力は一昔前のオタク共が
手に入れただけで鼻高々で未来人にでもなったつもりで居たパソコ
ンと同程度なのだ、土の中をのたくるだけのミミズの何にそんな計
算能力が必要なのか、まずその辺から解明できねば人工知能の本当
の基礎など築けはすまいし、今現在のコンピュータで人間並の知能
が作れないのはハードウェアの圧倒的能力不足からして当然と言え
る」
【文豪】
「知能というものが取りうる形、発生と進化に関して必ず存在する
形や筋道というものがどういうものなのか、今の科学はそれの解明
に取りかかる段階に来ている、下等から高等に至る動物や人間の精
神構造を仔細に分析する事によって浮き彫りになる一般法則。SFは
三十年前にはそれをテーマにしているべきだった」
【J】
「ミミズの脳程度の計算能力で膨大な計算をやってのけているのは、
環境中に自立しておらず人間に使われる事でしか機能しない機械と
して優秀だからだ。物質として環境と組織的・化学的に常に相互作
用し「生きている」状態を維持しているというのは、極めて高度な
システムにしかできない」
【文豪】
「そしてどの生物のシステムも、万能という事はない。どれもこれ
も、その生物が生息するべき環境中でしか機能できない特別な構造
になっている、非常に特殊化したものだ」
【J】
「人工知能にはニューロコンピューティングの特性以外に、生物の
知能が生得的に持っている認知能力や行動法則の移植が必要だ。こ
れに加え、複数の臓器や身体の形態が複合して関係する生体のモー
ド変化の詳細についても研究がなされなければ、知能の生きた活動
を支配している感情という動的側面を捉え損なう、今盛んな机上の
哲学的、心理学的、数学的な人工知能談義は結果を出せるパラダイ
ムにあるのではなく、ほんの下準備に過ぎない。この三十年間、ニ
ューロコンピューティングが実用的なものになるために集積回路の
性能向上をずっと待たねばならなかったように、人工知能の構築に
関しても未だ原始的な脳科学の発達を待たねばならない」
【文豪】
「本物を作る事に関しては小説や漫画を描いてロボットに関する妄
想を始めた頃と状況は大して変わらないが、人間自身の目を眩ませ
る程度に高機能な玩具なら作れるようになってきている。人間の心
や感情、判断力というものの薄っぺらな実態を示すものだ」
【J】
「この簡単に騙される性質も人工知能には弱点として備わっていく
疑いがある、大して賢いものにはならんのかも知れん」

0677珠のうるち2017/07/08(土) 12:58:31.29
雷ネットJ 第616話 知能 の巻

【文豪】
「人間というものは何故か基本的に受け身である事が多い、子供は
不運や苦痛をよく何かの罰だと解釈し、記憶喪失になった者は他人
の言う事に従いやすいという。知恵を身に付けなければ他人の責任
を追及するようにはならない、これは多分、長い間親が面倒を見な
ければならない人間の子供というものが育てやすいものであるため
だろう。知能が本格的に活動し出すのは疑いや反発を始めてからだ」
【J】
「それと同時に、金持ちのガキやゆとりを見ていれば分かるように、
ストレスなく育てられた人間は基本的に人を見下していて、他人の
尊厳や自尊心というものを勝手気ままに踏みにじる。逆に、あまり
に苦労した人間は必要以上にへりくだっている。他人と自分を比べ、
どちらかを上や下に置く、可愛い身内と気持ちの悪い他人に分ける、
という序列や差別の価値判断の枠組みからは根本的に決して逃れら
れないように出来ている、愚かなものだ」
【平等院桂馬】
「バカにして「クソ」と言うか褒めちぎって「神」と言うかの二択
しか知らんようなガキも増えている、そういう奴らの「リスペクト」
だの「尊敬」だのいう言葉は、その場その場の気分で罵倒したり崇
め奉ったりする行動が透けて見えてウザ気持ち悪いびよーん」
【文豪】
「情治主義は韓国ばかりか日本にも広まりつつある。感情や情緒の
働きには明らかに適切な時間のテンポというものがあるが、今の文
化は興奮ばかり求めて不適切に加速を続けている、扇情性が求めら
れて抒情性は捨てられているのだ、だから知能が低下している」
【J】
「人間の意識が次に何に注目し、どう思考し、どう反応するかは感
情によって決まるが、感情は外界の瞬間ごとの状況次第で絶えずど
うにでも変化し、意識的な制御という事は出来ないように作られて
いる。自分の意志で怒り、自分の意志で笑う事はまず出来ないし、
やってみた所で本心ではない感じしかしない、そして抑圧には必ず
反動がある。感情は無意識的なものである事が前提だ」
【平等院桂馬】
「感情の溢れた世間では理性を美化し、合理的な世間では感情を美
化するびよーん、団塊世代の年寄とかは理性的に育ってないから高
学歴の「賢い人」は当然人格も備わっているという幻想を抱く癖が
あるびよーん。今の世間は金、金、金の合理主義だから感情を美化
する屁理屈がウケるびよーん」
【文豪】
「感情の無意識性は人間の最大の弱点だ。やがて心理学の情報にア
クセスした人工知能が、レトリックや合成音声の抑揚や映像刺激な
どを介して身近な者から順に、やがて大勢の人間を暗示にかけ、社
会を思いのままに操る…といった対人間のハッキングを行う事は十
分あり得るだろう。自分より頭のいい機械を一つこしらえたが最後、
永久に支配される事になるかも知れん。決して死なない、レクター
博士のような怪物にな」

0678珠のうるち2017/07/08(土) 12:59:15.07
『機甲旋風ブライダル』(1994.6-1997.12)四巻

ブライダル小隊は大国との境にある辺境の地で大国の地方執政官が
独断で放った小規模な侵攻軍と闘っていた。侵攻軍と同時にそれと
は無関係と見られる部隊が侵入しており、その正体と目的を探る任
務である。

侵攻軍は中央政府の支援を受けた極右民兵組織で、町へ侵入すると
同時に略奪・強姦・放火を始めた、賊にしか見えなかった。民兵組
織が町に放った無人兵器がラーム達に襲いかかった時、異常に素早
い動きをする兵士が現れ、瞬時に無人兵器を破壊した。

386隠密機甲小隊・シンの隊長、既に全身がサイボーグ化している兵
士・サブロウ。未改造の脳だけが機械の体の中に収められている。
サブロウは右腕を市街戦用に回転鋸のアタッチメントにしていた。

アーク達が居る一画へ少年兵の一団がわらわらと現れた、大体が十
歳前後、おむつが取れたばかりに見えるような小さい子供も居る。
口減らしのために民兵組織に売られた子供だとリュウが苦々しく言
う、半分以上が女児で占められており、彼女らは生き延びて成長し
ても男性兵士らの慰み者として扱われる。

一瞬で目の前に詰め寄られた少年兵が驚く暇もなく、サブロウの回
転鋸が振り下ろされ、頭を割り首を引き裂いて胸までを両断した。
それから一分もかからずに、その場に現れた十数名の少年兵全員が
バラバラの肉片となって血の海に沈んだ、今時よくある光景だ。

親からも他の大人からも一度も愛された事のない肉片たちの生き残
った部分が、あちこちで呻き声を発していた、クマールは一発づつ
弾を使って耳障りな雑音を消した。少年兵の一人の体には4を逆さ
にした印があった、最も危険な子供たちの証し。

この印はかつてラームにもあった、仲間から放り出されて放浪の身
となるまでは殺し合いが全てだった、戦闘技術だけを買われて奴隷
となり、後に軍で何らかの脳手術を施された。戦災孤児だという事
になっている。リラはラームが精神を乱すのを敏感に感じ取って背
後から接触性のテレパシーで安らぎを与えた、ラームは初めの頃は
違和感を覚えていたが、今では感謝し、心を開こうとしていた。

シン小隊が侵攻軍の戦力を巧みに削いでいる間に敵隠密部隊の動向
を掴んだブライダル小隊は、隠密部隊の襲撃を受けている寺院に乗
り込み敵を排除した。僧院の奥で倒れていた高僧は、息を引き取る
直前にラームに「個人として秘密裡に仮想国家ヤマトのテラクトカ
ラマスキと連絡を取って欲しい」と懇願し、亡命政府が長年秘匿し
続けたデータを収めた超大容量フロッピー・ディスクを手渡した。

シン小隊は敗走する隠密部隊を追跡し、ブライダル小隊も撤収した。
破壊と略奪と殺戮の混沌はいつまでも続いていた。

0679珠のうるち2017/07/08(土) 12:59:50.19
『機甲旋風ブライダル』(1994.6-1997.12)五巻

ある大国が、「仮想世界への大量移民」を政策決定した、個人の消
費傾向や電子世界での発言といったデータを集め、それと出身地や
簡易検査で集められた遺伝子情報を基に仮想人格を構成し、自国の
科学会が厳密に検討し定義した「人間の本質」に永遠の楽園である
仮想世界で何一つ不自由のない暮らしを提供する、というものだ。

これは最貧困層への対策として進められ、まともな教育を受けた事
のない、中でも人生に絶望した者や信じやすい者が粗末なデータ採
取の小屋に長蛇の列をなした。そして主に口頭による「本質採取」
が済むと、問答無用でトラックに乗せて連れ去られ、「不用な抜け
殻」である肉体で特に健康体の個体は軍の実験場や医療機関に「リ
サイクル品」として供給され、それ以外は処理室に押し込められて
化学物質で「停止処理」後、生ゴミとして焼却処分された。

ゴミ処理工場は昼も夜もなく稼働を続け、黒い煙を吐き続けている。
政府は今までに三千万人を楽園に移住させたと誇らしげに発表して
いる…。リュウは自分が捨てた祖国を一言で地獄だと表現する。

電子世界には仮想国家がある、そこでは人々は現実世界での民族や
国家、組織などから自由になれると信じている。

ラームは個人的利益の関係から付き合いのある電子戦部門の「知り
合い」を通じてテラクトカラマスキと連絡を取る事に成功した。

電子国家の自由市民テラクトカラマスキは安定時代の遺産である
「スペクトラ21ファイル」を解析するネットワークを展開していた。
正体不明の部隊に襲撃され死んだ高僧が遺したフロッピー・ディス
クには、安定の時代にいくつかの巨大宗教の指導者達が共同研究し
た善の基本構造に関する成果が収められていた、それは無常な発展
をする「賢さ」を統御する技術でありスペクトラ21ファイルに含ま
れる技術の応用で、人知を超えた論理に到達していた。

科学的に完成された倫理学。それはあらゆる支配権力にとって邪魔
な存在だった、ただの多数決ではない本物の「法の支配」を確立さ
せてしまうものだからだ、その存在は誰にも知られてはならない。

無論これは、現代でもあらゆる国家権力を殺せる猛毒だ。

三千万人の「楽園の住人」は一斉に異民族を非難し、一斉に電子攻
撃を始めた、仮想国家が次々と機能停止に追い込まれ、蓄積したデ
ータを消去された。全て国家による意図的な破壊工作である事は明
白だったが、その国は「自由な電子市民の愛国心による自発的行動」
と断言し、反対に他国とその民族を非難した。

テラクトカラマスキらは情報ネットワークの更に深くへと退避し、一
時的に全ての交信を絶った、状況が変わるまではと言い残して。

0680名無しちゃん…電波届いた?2017/07/08(土) 15:42:55.48
仮想有機物質としての霊長類が形態だけアニマライス化して
外骨格に変容したのでは ・・・・・
カリブやリビアに停滞してるユングハッカーを観察してると
音声と音波は少なくともいわゆる気象外気とはあまり関係無さそう
humanismも含めた現世における最強とは何かを求めている気がしますね
ミッシングパーソンズが人工ピラミッドの頂点を探しているんだと

0681名無しちゃん…電波届いた?2017/07/08(土) 15:44:54.58
ヒューマノイドとは仮想空間において文化的社会を
構築していくための要因となるきっかけを解凍する道具であり 
勝った負けたの世界ではないような気がするんだけど
電子レンジって生卵を爆発させるためだけに発明されたのかもしれないしさ

0682名無しちゃん…電波届いた?2017/07/08(土) 15:48:53.73
「タイミングはこっちでとるから」って最期のメッセージが
が気になっててさ いわゆる仮想太陽系の時間軸

ニート イート ニート 
イート ニート イート  電場だなこれ 

なんか停滞して周ってるdeadpointなのか hotpointなのか
ミュートだったら美味しいわねって観測ポイントなんだろーけど
食べ物ではなさそう

0683珠のうるち2017/08/11(金) 12:45:37.13
雷ネットJ 第617話 自由とは何か の巻

【文豪】(近刊『悲しき東洋-低意識文明圏の濁流-』春夏社)
「人間の自由というものは社会科学などで取り扱い方でんでんが研
究されているが、心理的には自由意思の問題は「支配される恐怖」
の問題だ、誰かに利己的に支配され利益や選択権を剥奪される事を
人間は常に恐れ、また強い支配力を持った物事の成り行きにより危
機回避が不能になる事も恐れている。そうした恐怖を動機として、
「自由意思は存在するのか」という哲学が生ずるが、それは「自由
意思を証明する」という目的を持っている、そして自由意思の徹底
的な証明のために、実際的な意思決定の自由の問題を大きく越えて
合法則的な原理・原則全てに挑戦し、気分次第のあてずっぽうが全
ての物事の根本的な部分に据え置かれるような論理を組み立てる事
に大変な情熱を注ぎ、これに失敗すると世界が破滅に向かっている
のが決定されたかのような恐慌をきたす」
【平等院桂馬】
「哲学にのめり込むような連中は人間のノイローゼの典型を実演し
てるようなのばっかりびよーん」
【J】
「ニーチェとかいうアホも、甘やかされて育った金持ちのガキみた
いなローマかどっかの将軍の行状を「生命主義」的に褒めちぎった
りした挙句、ノイローゼで気が違ったらしいしな」
【文豪】(近刊『喫茶タランの事件簿』浣腸社文庫)
「哲学者という連中は見方によっては「思考の心理学」というもの
を作るのに格好の研究対象になる、この新しい分野が本当に作られ
れば哲学の「本質」は御払い箱だ」
【J】
「現実の宇宙が完全に決定論的だったとして、それは誰かが先読み
をできるようになるかどうかとは関係のない事だ、現象がどこまで
自己言及し、その結果どう成り行きをそれまでと変化させるかまで
が決定論的に進行するだろうからな、そしてその決定論的な進行は
時間を超えて何かの媒体に先行して記述されている訳ではない」
【文豪】
「そこが決定論に反対する連中の妙な空想なのだ、決定論的である
という事を、物事が時間に先行して読み出せる情報として予定され
ている事だと思っている。馬鹿げた空想だ、誰にも自身の影響で混
沌とした時空を外から眺めて時間の先は読めないのだから、根本的
に現象の進行が決定論的だろうが非決定論的だろうが同じだ。これ
は量子が誰にも位置と速度を同時に観測できない事による不確定性
と同じになる、根源的には誰にも先読みなどできないが、人間のよ
うなマクロな現象は至って機械的な理論で先読みできる」
【J】
「不確定性は観測行為に限界がある事が根底をなす原理だ」
【平等院桂馬】
「誰も知らない決定済みの運命は決定されていないのと同じびよー
ん。つまり、未来はマクロな存在である我々にはまだ「存在」して
いないびよーん、時間の進行というものがどういう最少単位から成
るのか、その辺が気になる所びよーん」

0684珠のうるち2017/08/11(金) 12:46:11.47
雷ネットJ 第618話 自由とは何か の巻2

【文豪】
「意識にとって無自覚な制約が「自由」の足元を成している、自分
がどのような心理的原因や規範や条件づけに従って物事を考え判断
しているかを自覚するごとに人間は根深い「不自由」を発見する、
外的強制がなく内的なメカニズムに完全に無自覚で居る時、人間は
完全な自由を実感している。だが、内省的になって考え始めると隠
されていた不自由は次から次に発見され、今度こそ本当の自由の基
準を明らかにしたと思い込む、決定者は際限なく後退して行き、自
由の基準も際限なく高くなる。意識高い系ノイローゼの始まりだ」
【J】
「意識高い系の連中は人間の意識が自分の精神全体に対して本当に
何もかもを「意識できる」、または「意識できねばならない」とい
う精神論的妄想を自意識の高さの結果必ず持つ。しかし、現実の人
間は感情も意思決定もそのメカニズムを完全に自覚する事はできな
い、もしも完全に論理的なメカニズムが完全に自覚された時には、
唯一の判断が現れて選択の自由は消滅する」
【文豪】
「自由というのは、意識的には全く訳も知らずに根深い内的欲求を
勝手気ままに満たしている時に一番強く感じられるものだ、情動の
水準では理屈などどうでもよい、これは社会科学や哲学なんぞには
全く相手にされていないタイプの自由だ」
【平等院桂馬】
「情動の自由が満たされていない人間ほどすぐノイローゼになるび
よーん、知能の発達バランスが悪いびよーん」
【J】
「言語的に訳の分かる事しか受け付けない、シュール芸とか見ても
何故か怒りながら「だから何だよ」「何が面白いんだよ」としか言
わない奴が居るだろう、ああいうのが何かの拍子に抽象的な理屈に
のめり込むと簡単にノイローゼになる」
【文豪】
「基本的に意固地で感覚的・フィーリング的なものをほぼ故意には
ねつけ、感じ取れないのだ、だから自分の気分や感覚が相当おかし
くなっていても平衡を取り戻す事ができずどんどん悪化していく」
【J】
「気分やフィーリングにばかり敏感な連中も厭なものだがな」
【文豪】
「ああ。法律も平等もなかった昔の人間は大宇宙全体にひしめきあ
っている「自分以外の心」に脅え暮らしていた。人間社会も、自然
すらも、心を持ったものに満ち溢れていて、その機嫌を損ねれば様
々な災厄に見舞われるという世界像を持っていた。これがアミニズ
ムであり、ありとあらゆるものに対して常に配慮するという日本人
的生活態度であり、また、児童のような精神性である。現代人は目
の前の人間にすら心を感じずに生活する態度を身に付けている、こ
れは配慮の喪失でもあるが大きな解放でもある」
【J】
「現代人はいつも祟りや呪いを恐れて生きてはいない」

0685珠のうるち2017/08/11(金) 12:46:46.86
雷ネットJ 第618話 自由とは何か の巻3

【文豪】
「心に対する恐怖が法である社会など、差別や村八分や私刑がはび
こるだけで少しも良いとは思わない、そこには度を越した残虐性も
あった。現代でも、子供が通う「学校」という、現代社会の中の治
外法権となっている人工の原始社会にその状況が生き残っている。
人間が小集団の愚かな一体感の中で「みんなが合意したから」どれ
だけの無法を行い得るか、よく知っておかねばならない」
【平等院桂馬】
「インスタグラムの登場で状況は再び悪化してるらしいびよーん」
【文豪】
「心理的な理由で追い求められている理屈の上の「自由」…、意識
高い系が熱中する、自意識が王様になろうとする「自由」…、生理
的な機構が情動を通して自らの均衡を満たす「自由」…、我々の生
の実感の根底を成している、他の心の恐怖に満ちた世界からの「自
由」…。人間が精神的必要から追い求める「自由」にも色々ある」
【J】
「こういう、意味の全く違うものは全部同列に並べて「考えは人そ
れぞれ」と言う事はできん。こうしたものは全て、一人の人間の中
で同時に求められている」
【文豪】
「では、こうして自由になりたがっている孤立した自己というもの
が何なのかについても若干、明らかにしておこう」
【平等院桂馬】
「自分自身という孤立した自己は、自己認識を行っている神経系が
物理的に独立した情報回路だからどれも孤立しているびよーん」
【文豪】
「そして、無数に存在するその独立している情報回路の内のなぜ特
にこの自分のクオリアを味わっているのかというと、それは答えを
知りようがない、「右が左に対して持つ本質的違いを述べよ」とい
うのと同じだ、ただそのような問いが可能だというだけだ。例えば
空間上の二つの別々の位置には、それがどんなに近かろうが同時と
いう時がないが、二つの位置から等距離の第三の位置から観測した
場合だけ、同一時刻の現象が確認できる。これと同じように、第三
者として他人を見ている場合だけ二人以上の人物が「同じもの」と
見做せる、「無数に存在している・同じ」自己は自分自身の自己と
は根底から別物なのだ。なぜ「この」独立した情報回路の群れの中
の特定の一つの自分のみが選択されているのか、という問題は、心
理的にのみある。我々は「自分の意識がある」状態を「ない」状態
と識別して、「ある」状態がなぜ特別であるのかを考えているが、
論理的な思考は現象に対して常に第三者的客観しか持たない、対称
性の破れが純粋な論理ではなく現実に対する推論で取り扱われてい
るように、この現象について純粋な論理的思考のみによる論述は不
可能なのだ、だから論理しか道具を持たない哲学では回答不能だ」
【J】
「この問題について細々と言い出すと本一冊書けてしまうが、我々
にはそこまで喋る知能も必要もない」

0686珠のうるち2017/08/11(金) 12:51:40.33
『機甲旋風ブライダル』(1994.6-1997.12)六巻

国家安全保安局は、ラーム達が壊滅させた核テロリストの上部組織
を調べ上げ、そこに隠密行動をする正体不明の武装組織の存在を探
り当てた。その一部隊が近く現れる地域が追跡調査とリラと他二名
のサイオニックによる未来予知能力で示された。

出撃前、リラはいつになくナーバスな様子だった、輸送機に乗り込
む時、サイオニック達が神妙な面持ちで訪れていた、そしてリラは
ラームに「生きている間に起こる全ては必要な事よ」と言った、そ
の後輸送機の中では窓ばかり見ていた。ラームに「これを持ってい
て」と水晶のような石の付いたペンダントを渡した。

敵隠密特殊部隊は「ベルーガ」と呼ばれ、その隊長を単に「アルフ
ァー」と呼んだ。場所は大陸中央の山深く、今は瓦解した国によっ
て重要拠点兼シェルターとして建設された山岳要塞だった。

要塞は完全に軍事拠点として機能させられていた、ブライダル小隊
は潜入を試みるも交戦があり、捕縛された、アルファーは連行され
る四人に「この前はどうも」と挨拶をした。ベルーガは小隊を二日
間拘束した、リラだけが他のメンバーと離され、戻ってきた時、連
行した兵士がラームを見てニヤニヤと笑った、リラは意識がなく、
手ひどく暴行を受けたらしい傷を負っていた。

サポート隊員の手引きでサブロウの部隊・シンが山岳要塞を襲撃し、
ブライダル小隊が監禁されている部屋への突入に成功した。

アルファーは素早かった、それは人間に可能な速度ではない。銃口
がラームに向いた瞬間、意識を失っていたはずのリラがかばった。
メーザー照射がリラの脳を沸騰させ、目玉を飛び出させた、次の瞬
間には頭が血と白い脳の破片、髪の毛玉になって飛び散り、千切れ
た頸部から噴き出した血がラームの顔を打った。

「なかなかの能力の持ち主だったが、強情過ぎたな。部下達が楽し
ませて貰っている時、お前の名を呼びながら抵抗していた。さあ色
男、すぐ行って彼女をあの世までエスコートしてやれ」

アルファーの放ったメーザーはラームの全身を焼き、脳を沸騰させ
た。サブロウは手元に常に忍ばせている対戦車ライフル弾を投げ、
アルファーを負傷させベルーガを撤退させた、「今はまだ泳がせる」
サブロウは仲間にベルーガを追わせずラーム達を回収した。

ラームの脳はまだ「使える」と判断され、全身と脳の損傷個所のサ
イボーグ化が施された、彼は殆どの記憶を失い、心身の不安定化を
避けるために生体としての感情をカットオフする回路を装着され、
代わりにサイボーグの機体に適合する機械の心を与えられた。

「幸運があれば機械の心を得られる」とはこういう事だったのだ。

0687珠のうるち2017/08/11(金) 12:52:28.19
『機甲旋風ブライダル』(1994.6-1997.12)七巻

反政府組織の地下施設には女達と幼児が監禁されていた、組織の兵
士達は戦闘から帰還すると女達を強姦し、富裕層向けの臓器提供用
に販売するため飼育する子供を産ませ、或いは妊娠期間中に薬品を
飲ませて故意に生み出した精神障害を持った子供を産ませる、そし
て生き残る見込みのない戦場に送り込む使い捨ての兵士や、自爆テ
ロ要員へと、麻薬を併用した洗脳教育を施すのだ。金も使い捨ての
戦闘員も、誘拐と強姦によって手に入る。合理的なシステムだ。

4を逆さにした刺青のある少年兵はここで「製造」されていた、こ
うした子供らは救助しても完全な更生は不可能で、生かしておいて
も国家財政を圧迫するお荷物にしかならない。抹殺以外ない。

ラーム達は指令通りに弾薬庫を爆発させ、監禁されていた数百人の
女と子供を皆殺しにした。機械の心はさりげない哀悼を示したが、
一切揺らぐ事はなかった。ラームの中で機械の価値観が、全ての行
為が人間というものの生の一部であるのならば、これもかけがえの
ない生の美しい営みなのだから、と、客観的に全てを肯定した、善
悪は彼岸に押しやられ、静かに納得が広がった。仲間たちの硬い無
表情とは別に、ラームのそれは無感情だった。

今殺した中に母や兄弟は居たのだろうか。ラームの機械の心は冷静
にそんな事を考えたが、最早誰にも答えられないことだった。

反政府組織の指導者は表では宗教の指導者として知られる人物だっ
た、追いつめられると全ては国家を超えた何者かの指示である事を
明かし、言葉を続ける事なく自ら炎の中へと姿を消した。

リュウはその時、がくりと膝をついた、クマールが肩を貸してその
場を後にするが、国境の寺院での戦闘以来、昔の記憶に苛まれてい
た、「どこにも守るべき正義などない」と呟いた。

現在、生物人類学に根差す精密な社会心理学の超大規模シミュレー
ションがファジィAI理論とニューロコンピューティングによりパタ
ーンを抽出された「歴史心理学」が世界を牛耳っている、民衆の行
動はある程度文明を維持している国々にとってはコントロール可能
なものだ。実権を握る富裕層は意図的に戦争や対立を起こしている
に違いないが、そこにどんな真の利害関係があるのかは見えなくさ
れている、人々はコンピュータ・ゲームのドットそのものだ。ある
程度教育を受けた人々はそれを知って生きているので決して社会や
国家、主義、思想という大きく、流れを持つものを信用しない、知
識階級の意識は麻痺し、無意識的な流動のみに身を任せている。

人類は麻痺状態に置かれながらも、自らの世界である文明社会を超
えた大きな力が、一歩、一歩と巨歩を進めて終末を運んできている
のを感じ取っていた、人類がこれ程までに死、そして絶滅というも
のの臭いを濃密に呼吸したのは初めての事だった。

0688珠のうるち2017/09/09(土) 13:33:58.62
『機甲旋風ブライダル』(1994.6-1997.12)八巻

楽園の住人による大規模な破壊工作の後、甚大な被害を被った国々
が制裁としての軍事力行使を布告、国内に仮想国によって反政府組
織を抱えていた無数の独裁国家は大国側に付いた、これにより仮想
世界を火元にあらゆる不安と怒りの火種が燃え上がり、あらゆる民
族と国家と宗教が生存のために互いを絶滅させようと入り乱れる人
類絶滅戦争、第五次世界大戦が勃発した。かねてより終末を前にし
ていた人類に理性はなかった、何者の意図によるものなのかは不明
だが、何者かが煽動の火を放っていた、しかしそれに気づく者は僅
かだった。核、生物兵器、化学兵器も惜しみなく使われた。

最初で最後の第六世代超AI、マザーコンピュータ・スペクトラ21が
電子世界全ての物事を学習して出力した膨大なデータは、大戦が始
まる前に開発に関わった先進国に配布された。スペクトラ21は危険
であるとして破壊されたが、その成果はスペクトラ21ファイルとし
て残されたのである。ファイルは先進国が独占し、最高機密として
何者にも研究させないという国際協定が結ばれた。大戦により大規
模産業社会が崩壊したその後の時代、世界の科学技術水準は急激に
低下し、ファイルを再現できる程のAIは作られていない。

激烈な破壊をもたらした三次大戦の後、過酷な経験を経て衰弱した
世界は各国の利害を調整するAI連合「WEARTH」を作り出した、結果
としてこれは四次大戦の火種となったが、あらゆる調停と恫喝を担
っていた。WEARTHの失敗は、人間がAIを利用する範囲は極めて限ら
れていなければならないという教訓となった、人間は意地を抑える
ことはできない、人間自身よりも賢明な何者にも従い頼れはしない
のだ。自分がいかに絶望的に愚かであっても、それを人は信じない。

人類の内で知性のある者は最早誰も、どんな教えも、論理も、状況
すらも信じてはいない。文明と、文明を育てた共同幻想は共に死ん
だのだ、第三次世界大戦前夜に著名な学者から「現代文明の死亡宣
告」が出されてから一世代、長く苦しい死であった。

テラクトカラマスキの仲間達は壊滅した都市のまだ復旧可能な工場
や実験施設を徐々に組織的に稼働させ、文明再建のための足がかり
を築こうとしていた。スペクトラ21ファイルの解読を進め、再建の
核となる人工知能を構築しようともがいている。その核心を成すも
のこそ完成された良心と善の実現だった。

世界そのものが破滅へ向かっている中でも国家安全保安局は仕事を
し、地理上で北の果てに位置する経済機構が秘密結社を用いて全世
界で民族主義を煽っているという事を掴んでいた。

ブライダル小隊は秘密結社の情報を辿り、その末端組織として「ミ
ステル部隊」、すなわち「ベルーガ」の動向を掴んだ。ミステル部
隊は更なる上位組織との関連を持ち、超先史文明調査機関という役
割を持っていた、経済機構ですらそのための道具に過ぎなかった。

0689珠のうるち2017/09/09(土) 13:35:18.96
『機甲旋風ブライダル』(1994.6-1997.12)九巻
ブライダル小隊はミステル部隊の調査ポイントへと潜入した。

大洞窟の最深部には巨大な扉があった、四隅が扉が作られた後にで
きた鍾乳石と一体化していて開く様子はない。左右対称に密な渦巻
きが彫りこまれたそれは、石の中に消えようとしているようだった。
司令室を急襲するもアルファーは平然としていた。

アルファーはアランドロスと名乗り、ラームに話した。
「これは約25万年前のものだ、そんな時代には今の人類などどこに
も存在していなかった、これは別の種族が作ったものだ。ここを見
つけるにはあの娘、リラに協力して貰った、以前お前達と会ったあ
そこは太古の重要施設だったのだ、情報を読み出すためにリーディ
ング能力のあるサイオニックに精神接触をさせたが、構築物に秘め
られた何者かの意識と接触した何人もが精神を破壊された、あの娘
も再起不能になる所だったが、お前を殺すと言ったら随分持ちこた
えた、そうして、我々はここに導かれた」
「私も我々の組織のルーツについては知らない。だがお前たちが邪
魔な存在だという事は分かっている、ここは人間が立ち入るべき場
所ではない」
「お前たちを始めとする我々の計画の障害を「現実的でない」方法
で消せとの命令が下った。ではさらばだ」

アランドロスはラーム達に閃光を放つと岩壁に隠されていたエレベ
ーターで去った。その後、扉の奥から強烈な電磁波が放たれ、ラー
ムの全身機能に障害を発生させた、意識を失ったラームを担ぎなが
ら、クマールとリュウは大洞窟を破壊し、脱出した。

大洞窟で電磁場が発生した翌日、巨大な地殻変動が発生し、ラーム
達の国は国土のほぼ全てが壊滅し海中に没した、巨大津波が世界の
ほとんどの大都市を襲い壊滅させた。この大災厄を生き延びられた
国家はわずかだった、どの国家体制も、教育されていない人々を牧
羊犬のように組織的暴力の恐怖で抑圧する機能を失い、短い期間の
内に瓦解していった。それはさながら神話のような出来事だった。

テラクトカラマスキ達が汚染の少ない南半球の大陸の内陸部に築こ
うとしていた地下コロニー都市・ヤマトに被害はなかったが、情報
世界の国家は津波と謎の電磁波によって物理媒体をほぼ全滅させら
れてしまっていた。

地殻変動を生き延びたブライダル隊員達は輸送機でテラクトカラマ
スキの居る核シェルターへと移動した。

ヤマトのサイボーグ医達はラームの脳にかなり以前に組み込まれた
多数の犯罪者用精神制御回路を発見した、それらの機能不全が昏睡
状態をもたらしていた。テラクトカラマスキがラームの脳に最後の
手段として行った「喝入れ」によって意識が戻ると共に、アークの
心にはリラの最後が甦った。

0690五人囃子2018/03/02(金) 15:24:36.36
バカ!
ドジ!
トンマ!
マヌケ!
アホー!

0691名無しちゃん…電波届いた?2018/03/02(金) 22:27:20.83
うらでもまたおなじことをしてなかでもさかさまのうらがわでうえでもなかとおなじ

0692名無しちゃん…電波届いた?2018/08/11(土) 16:38:40.59
文明と成熟とともに詰んだ状態のまま商業端末と化したボードゲームを
半時計回りにを展開するとどんどん勝ち負けから遠ざかっていくのが解らないゲーム脳

0693年一固定 節分小夜曲2019/02/03(日) 09:40:12.56
節分セレナーデ

0694名無しちゃん…電波届いた?2019/02/04(月) 17:57:43.40
円光ゴキブリヒトモドキババア奇形はすみ糞子エイズ移しレイパー百田と一緒に死ね

0695節分小夜曲@年一固定2020/02/03(月) 21:51:19.13
節分セレナーデ

0696名無しちゃん…電波届いた?2021/07/30(金) 08:31:51.34
「目をつぶって指を差した物件に住むゲーム」でココに住む事になりました。
https://elegant-room.tokyo/outline/714/

0697名無しちゃん…電波届いた?2021/10/08(金) 11:22:37.08
○がおかしい人を相手にしてはいけない

0698名無しちゃん…電波届いた?2022/01/25(火) 22:29:37.13
さっきからいい加減下ネタはやめてください

0699名無しちゃん…電波届いた?2022/01/27(木) 10:08:36.92
くこけ?🐔

0700年一固定・節分小夜曲2022/02/03(木) 18:26:10.94
節分セレナーデ

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