確かに佐藤は「山に埋めたる」「海に沈めたる」と叫んだそうだ。
だが、結果は通行料の少ない路上に放置。そこから読み取るとそもそも殺人の
意思はなかったというように推認できる。それがミソなんだ。要するに佐藤は
自分の先々を案じて殺人ではないと見せかけたに過ぎない。
この刑事裁判では未必の故意が争われたのだと俺は理解している。