1992年にFIDEからグランドマスターの称号を付与されたRausis氏は、FIDEのレーティングでトップ100に入る最も高齢のプレイヤーとして知られており、最新のランキングでは世界53位でした。一般的にチェスのレーティングは年を取ると共に低下していくケースが多い中、58歳でありながらトップクラスのレーティングを持つRausis氏は注目の的となっていました。

また、Rausis氏は単に高レーティングを維持しているだけでなく、50歳を超えてから急激にレーティングを上げた点も特徴的でした。以下のグラフの青い点がRausis氏のレーティングを表わしており、2003年から2013年までは2460〜2540付近を上下していたレーティングが2013年8月ごろから急激に上昇し、2019年7月時点では2700に迫りそうな位置に達していることがわかります。



高齢になってからの急激なレーティング上昇に対して称賛が浴びせられた一方で、Rausis氏に対しては疑惑の目も向けられていました。FIDEの局長であるEmil Sutovsky氏によると、Rausis氏は長年にわたりチート疑惑の捜査対象となっていた模様。
Rausis氏は主に自分よりもレーティングの低いプレイヤーが多く参加する大会に出場し、格下相手に高い勝率を維持してレーティングを上げていたそうですが、これほど長期間にわたって格下相手といえど完璧なプレイを続けるのは困難であるとのこと。

ソフトウェアの発達に伴い、チェスプレイヤーたちは試合中にスマートフォンを使用したり、所持したりすることが禁じられています。しかし、FIDEはRausis氏がどこかでこっそりスマートフォンを使い、最適な打ち筋をカンニングしているのではないかと疑っていました。

そんな中、フランスのストラスブールで開催された「ストラスブール・オープン」において、ついにRausis氏が試合中にスマートフォンを使っている現場が押さえられました。公開された写真では、試合中にトイレへ立った際に禁止されているはずのスマートフォンを持ち込み、こっそりと使用している様子が写っています。



Rausis氏は自身がスマートフォンを使用したことを認め、「私は昨日、心を失ってしまいました」「昨日私が行ったことは、私以外のプレイヤーにとってのいい教訓となります。私は既に最後のチェスの試合をプレイしました」とコメント。Rausis氏には過去の事例と同様、FIDEから何らかの処分が下ることとなる予定です。

FIDEはプレイヤーのチートを検出するために、ニューヨーク州立大学バッファロー校でコンピューターサイエンスを研究するKen Regan緒y教授が開発しbス、チェスプレャCヤーのチートb沛oする統計bノ基づいたモデャ汲フ用していb驍ニのこと。こbフモデルからも=ARausis氏がチ=[トを使っていb驩ツ能性が高いbニ指摘されていbワした。

FIDEのフェアプレイ委員会事務局長を務めるYuri Garrett氏は、「FIDEは継続的に全てのプレイヤー、全ての疑わしいプレイをスキャンしており、統計的な異常を識別しています」と述べ、今後もチェスにおけるチート行為の監視・摘発に全力を注いでいくとしました。


by JESHOOTS-com



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