2)「西山永世女王」と里見女流四冠の「棋士挑戦」
 藤井五冠の戦いの前に……今月は扱いたい話題が渋滞しています(笑)。

 2人の女流棋士が話題となりましたね。西山朋佳女流二冠と里見香奈女流四冠です。西山女流二冠は6月13日に行われたマイナビ女子オープン第5局で、里見女流四冠に112手で勝利して防衛するとともに、5連覇によって「永世女王」の資格を獲得しました。

 一方の里見女流四冠は7日の女流王位戦第4局で西山女流二冠に勝利し、3勝1敗でこちらも防衛……まさに2強のつばぜり合いといった様相ですね。

 そんな中で里見女流四冠が1つの決断を下しました。女性として初となるプロ編入試験受験です。奨励会の三段リーグこそ年齢制限の壁によって退会したものの、5月に編入試験の受験資格を獲得。その際には受験するかどうか迷いがあったそうですが、申請期限間際で挑戦を決意したとのことです。

 里見女流四冠は2022年度に入って男性の棋士から白星を積み重ね、さらには24日の対局では出口若武六段(叡王戦で藤井聡太五冠に挑戦)に勝利しています。史上初の「女性棋士」誕生へ、ファンとしても固唾をのんで見守る所存です。

 トップを走り続ける2人の挑戦にエールを送るとともに、女流棋士の皆さんの活躍にも期待しています。

佐藤天彦九段のキャラクターも面白い
 さて、柔らかな話題で言えば……ABEMAトーナメント。リーグ戦が活況を呈している中で、ピックアップしたいのは佐藤天彦九段です。

 団結心を高める動画企画で、チーム天彦はテクノスポーツの「HADO(※拡張技術を使って、架空のボールをドッジボールのように扱う)」に挑戦。すると「貴族」の愛称でお馴染みの天彦九段(いつものエレガントなファッションではなくスポーツウェア姿)が、想像以上のアジリティーを見せてくれました。

「HADO強いし、運動神経いいんだな……」と思っていると、vs先崎学九段でのこと。フィッシャールールの早指し戦にもかかわらず、天彦九段がなぜか離席。

 作戦会議室で見ていた佐々木大地七段や梶浦宏孝七段だけでなく、対局者の先崎九段も相当ビックリされていましたが……「先崎九段のマスクのひもが取れたので代わりのマスクを探しに行った説」、「突然の天彦九段の代名詞であるリップクリームを取りに行った説」などがあるようで。そんなちょっとミステリアスな部分も、天彦九段らしい魅力だなあと感じます。

 おもしろ動画系で言えば、チーム山崎(山崎八段、松尾歩八段、阿久津主税八段)の「足つぼマッサージ」がオススメです。ほぼ同年代の自分にとっては、あれだけ痛がりつつも体をいたわりたい心境に共感しました(笑)。